AIに質問して、返ってきた答えをそのまま使っていませんか。思ったような回答が出ないとき、自分の聞き方が悪いのだと感じて、そこでやめてしまってはいないでしょうか。
世界的な半導体企業を率いる経営者が実際にやっているのは、特別なプロンプトを打ち込むことではありませんでした。彼がしているのは、返ってきた答えを疑い、別のAIに批判させることです。今日から真似できる手順として紹介します。
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答えが返ってきてから、本当の作業が始まります
NVIDIAの共同創業者兼CEOであるジェンスン・フアンは、2025年7月13日に放送されたCNNの番組で、自分がAIをどう使っているかを語っています。
彼はAIから答えを受け取ったあと、それをそのまま受け取らないと話しています。番組では、こう述べています。
「私はただ受け取ったりはしません。たいていの場合、こう言います。それがあなたの出せる最良の答えで間違いないですか」
やっていることは、聞き返すことだけです。長い指示文も、覚えるべき言い回しもありません。
多くの人は、最初の回答が期待と違うと、自分の質問が悪かったと考えて質問を作り直します。しかし彼は質問を変えるのではなく、同じ相手にもう一度確かめています。

一つの答えを、別のAIに渡して批判させます
彼は同じ番組で、自分が使っているAIを名前で挙げています。ChatGPT、Gemini Pro、Perplexity、Grokの4つで、そのすべてを使うと語っています。
そのうえで、次のように説明しています。
「私は一つのAIから答えを取ります。それを別のAIに渡します。そして自己批判するように頼みます」
さらに、複数のAIに対して、互いのノートを比較したうえで、すべての答えの中から最良のものを出すように求めると話しています。
一つのAIに「この回答は正しいですか」と聞いても、同じ考え方の延長で確認することになります。別のAIに見せれば、違う角度から弱いところを探させることができます。

それは3人の医師に意見を聞くのと同じです
この方法について、彼は分かりやすい比喩を使っています。
「これは3つの意見をもらうのと変わりません。3人の医師の意見です。私も同じことをしています」
体の不調が心配なとき、一人の医師の診断だけで決めずに、別の医師にも診てもらう。その発想をAIに持ち込んでいるだけです。
つまり、高度な技術ではありません。人間が相手なら誰でもやっていることを、AIにも当てはめているだけです。
彼はまた、AIを毎日使っていると語り、それによって自分の認知能力はむしろ伸びていると考えていると述べています。

今日から試せる3つの手順
特別な準備は要りません。いま使っているAIがあれば、それだけで始められます。
手順1 最初の答えを、そのまま受け取らない
回答が返ってきたら、次の一文を送ります。
それがあなたの出せる最良の答えで間違いないですか。
見落としている前提があれば挙げてください。手順2 別のAIに見せて、弱いところを探させる
一つ目のAIの回答をコピーして、別のAIに貼り付けます。
以下は別のAIが作成した回答です。
事実の誤り、論理の飛躍、根拠が弱い部分、
見落としている反対意見を指摘してください。無料で使えるAIが複数あるので、費用はかかりません。
手順3 分かるところまで説明を下ろさせる
理解できない説明が返ってきたときは、諦める前にレベルを下げさせます。フアン自身も、12歳の子どもに話すように説明させることがあると語っています。
いまの説明を、12歳にも分かる言葉で言い直してください。
理解できたら、段階的にレベルを上げてください。よくある質問
Q:AIを2つも3つも使い分けるのは大変ではありませんか
A:最初は1つ増やすだけで十分です。普段使っているAIの回答を、もう一つのAIに貼り付けて意見を聞く。この往復だけでも、見落としに気づける確率は上がります。
Q:どのAIを組み合わせればいいですか
A:決まりはありません。フアンが名前を挙げた4つは、いずれも無料でも試せます。作った本人に採点させないという考え方が本質なので、種類が違えば組み合わせは何でもかまいません。
Q:AI同士の意見が食い違ったときはどうすればいいですか
A:食い違った箇所こそ、人が確認すべき場所です。両方が同じことを言っている部分は比較的安全で、割れた部分には根拠の弱さが隠れています。どちらを採るかを決めるのは人の仕事です。
Q:この方法は仕事のどんな場面で使えますか
A:判断を間違えたときの影響が大きい場面に向いています。取引先へ出す資料、料金の設計、契約書の確認などです。逆に、社内のメール下書きのような軽い作業まで毎回やる必要はありません。
まとめ
ジェンスン・フアンのAIの使い方から分かることは、次の3点です。
・最初の答えを受け取ったら、それが最良かどうかを聞き返す
・一つのAIの答えを、別のAIに渡して批判させる
・意見が割れた箇所を、人が確認して決める
どれも特別な技術ではありません。今日のうちに、いま開いているAIの画面で試せます。まずは直近で使った回答を一つ選び、別のAIに見せるところから始めてみてください。
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