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2026/08/11

MacBookを閉じるとAIが止まる問題を解決する無料アプリ

筆者/喜多 辰徳

AIに調べものを任せたのに、終わるまでパソコンの前で待っている。そんな時間はありませんか。先日、打ち合わせに出かける直前まで、長時間のリサーチを走らせていました。出発の時刻になっても終わりません。以前なら、諦めて中断するか、終わるまで待つかの二択でした。

その日は違いました。MacBookの蓋を閉じて、そのまま移動したのです。15分後に開くと、リサーチは完了していました。内容にさっと目を通して、そのまま打ち合わせに臨めました。

この記事では、それを可能にした無料アプリと、実際に使って分かった注意点を紹介します。

▼記事を3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


AIに任せたのに、結局パソコンの前で待っている

AIエージェントに仕事を任せられるようになって、作業そのものは速くなりました。ところが、別のボトルネックが生まれています。

自分がパソコンの前から離れられない、という拘束です。

MacBookは蓋を閉じるとスリープします。AIが処理を続けている最中に閉じれば、そこで止まります。任せたはずなのに、終わるまで自分が席に縛られているわけです。

移動の多い働き方だと、これは地味に効きます。10分後に出発しなければならないとき、20分かかる作業は最初から頼めません。


Caps Lockを「AI稼働中スイッチ」に変えるアプリ

この問題を解くのが、Capsomnia(キャップソムニア)という無料のMacアプリです。2026年7月に公開されました。

仕組みはとてもシンプル

やることは1つだけです。

・Caps Lockをオンにすると、蓋を閉じてもMacは眠らず、処理が動き続けます

・Caps Lockをオフにすると、いつもどおりのMacに戻ります

設定画面を開く必要も、実行のたびにコマンドを打つ必要もありません。

この方式には、もう1つ利点があります。Caps Lockのランプが点いていれば、いまスリープを止めている状態だと、画面を見なくても物理的に分かることです。私が使っていて一番良いと感じたのは、この点でした。

消し忘れたまま気づかず電池を減らし続ける、という事故が起きにくくなっています。

なぜ標準の方法では代用しにくいのか

Macには以前から caffeinate という、スリープを抑える仕組みがあります。ただし開発元の説明では、これは蓋を開けたまま使う場合に有効なもので、蓋を閉じた状態でローカルの処理を走らせ続ける用途には安定して効かないとされています。

Capsomniaは、蓋を閉じた状態でも開いているときと同じように処理を続けさせることを目的に作られています。


変わったのは処理速度ではなく、時間の使い方

このアプリを入れて変わったのは、AIの処理が速くなったことではありません。かかる時間は同じです。

変わったのは、その時間を自分がどう過ごせるかです。

冒頭のリサーチも、15分という所要時間そのものは変わっていません。違うのは、その15分を「パソコンの前で待つ時間」ではなく「打ち合わせ先へ移動する時間」として使えたことです。同じ15分が二重に働いてくれました。

これまでは、出発前に長い作業を頼むこと自体を避けていました。どうせ終わらないからです。いまは出発直前でも頼めます。判断の前提が変わりました。

AIに仕事を任せるうえで本当のボトルネックは、AIの処理速度ではなく、自分がその場にいなければならないという拘束だったのだと気づきました。


導入手順と、使う前に知っておきたいこと

導入は3ステップ

・公式サイトまたはGitHubのリリースページから、インストーラをダウンロードします

・インストーラを開いて画面に従います。途中で管理者パスワードの入力を求められます

・インストール後にアプリが起動し、メニューバーへの表示や言語などを選びます

私の場合は、迷うところなく完了しました。日本語表示に対応しています。

動作環境は、Appleシリコン搭載のMacで、macOS 14以降です。IntelのMacは対象外なので、ここだけ先に確認してください。

使う前に知っておきたいこと

開発元は、次の注意を明記しています。

・蓋を閉じたままスリープを止めると、熱と電池の消費が増えます。風通しを確保し、電源につないだ状態で使ってください

・重要な処理をこのアプリに頼り切らない。バックアップの代わりにもしないでください

・使い終わったらCaps Lockをオフにして、通常のスリープに戻ったか確認してください

とくに1つ目は実感として大事です。鞄に入れて持ち歩くのではなく、机の上や助手席など、風の通る場所に置いてください。

万が一アプリを強制終了させてしまい、スリープしない設定が残った場合は、次のコマンドで戻せます。

sudo pmset -a disablesleep 0

アンインストーラも用意されているので、合わなければ元に戻せます。


よくある質問

Q1. 無料ですか。あとから課金されませんか。

完全無料です。MITライセンスのオープンソースとして公開されており、ソースコードを誰でも確認できます。アカウント登録もありません。

Q2. セキュリティが心配です。

配布されているインストーラは開発者IDで署名され、Appleの公証を受けています。開発元の説明では、このアプリ自体はネット通信をせず、利用状況の収集も行いません。スリープ設定の変更にだけ使う小さな補助プログラムを入れる仕組みで、その補助プログラムが実行できるコマンドが3つに限定されていることも公開されています。判断材料は自分で確認できる状態になっています。

Q3. Caps Lockが使えなくなりませんか。

大文字入力を止める設定をオンにすると、Caps Lockを押しても大文字にはなりません。大文字を打ちたいときはShiftキーを使います。この設定は任意で、別のキーの組み合わせをスイッチに割り当てることもできます。

Q4. 蓋を閉じたら画面はどうなりますか。

外部ディスプレイをつないでいない場合は、画面だけが消えて処理は続きます。


まとめ

この記事の要点は3つです。

・MacBookは蓋を閉じるとスリープするため、AIに任せた作業も止まります

・Capsomniaを使うと、Caps Lockのオンとオフだけで、蓋を閉じたまま処理を続けられます

・変わるのは処理速度ではなく、待ち時間を移動や別の仕事に充てられることです

移動が多く、AIに長い作業を任せている方は、一度試す価値があります。使い終わったらCaps Lockをオフにする、それだけ覚えておけば十分です。

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