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2026/08/13

Googleマップに相談 AIに選ばれる店になる3つの整え方

筆者/喜多 辰徳

先日、金沢駅前で焼肉店を探すのに、Googleマップの新機能を使ってみました。最初は「金沢駅前でおすすめの焼肉店」と聞きました。これは、これまでの検索でもできることです。そこで質問を変えて、「観光客向けじゃなくて、地元の人が行ってる店」と聞き直しました。返ってきたのは、地元で実際に評判の店でした。

この体験には、個人店にとって見過ごせない意味があります。この記事では、Googleマップの新機能「マップに相談」で何が変わったのかを整理し、AIに選ばれる店が今日から整えるべきことを3つに絞ってお伝えします。

▼記事を3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


Googleマップの「マップに相談」が日本でも始まりました

Googleは2026年8月7日、Googleマップの新機能「マップに相談」を日本で提供開始すると発表しました。公式発表によると、この日から数週間かけて順次提供されます。

会話でたずねると、条件に合う場所を返してくれます

「マップに相談」は、生成AIのGeminiと連携した機能です。地名や業種のキーワードではなく、話し言葉のまま条件を伝えると、それに合う場所を提案してくれます。

Googleが公式に挙げている例は、次のようなものです。

・スマートフォンの充電が切れそう。長い列に並ばずにコーヒーが買えて、充電ができる場所を教えて

・今夜使える照明付きの公営テニスコートを探して

どちらも、キーワードを並べる従来の検索では答えを出しにくい質問です。「コーヒー 充電 金沢」と検索しても、その3つを同時に満たす場所は出てきません。

英語版は今年3月に先行しています

英語版は2026年3月12日に、米国とインドのAndroidとiOS向けに提供が始まっていました。日本語での提供は、そこから約5か月後の開始になります。


「地元の人が行っている店」を、AIは言い当てました

ここからが本題です。

冒頭でお伝えしたとおり、最初に試した「金沢駅前でおすすめの焼肉店」という質問は、これまでのGoogleマップでも答えが出ます。地名と業種で検索すれば済む話です。

差が出たのは、次の質問でした。

「金沢駅前の焼肉で、観光客向けじゃなくて地元の人が行ってる店」

この質問には、キーワード検索では答えられません。「地元の人が行っている」という情報は、店の名前にも住所にも業種にも書かれていないからです。それでも、返ってきたのは地元で実際に評判の店でした。

AIは、クチコミの文章を読んでいます

なぜ答えられたのか。Googleの公式発表に、その根拠が書かれています。「5億人以上の投稿者コミュニティからのクチコミと3億以上の場所に関する情報を分析」しているという説明です。

評価の点数だけを見ているのではありません。クチコミとして書かれた文章そのものを読み、そこから条件に合うかどうかを判断しています。

「地元の人が行っている」という情報は、星の数では表せません。文章の中にしか存在しない情報です。そこをAIが読みにいくようになった、ということです。


この変化は、個人店にとって有利に働きます

こう聞くと、また大手が有利になる話かと感じるかもしれません。私は逆だと考えています。

選ばれる根拠が、量から中身に移ります

クチコミの件数は、ある程度まで店舗数と広告費に比例します。多店舗展開している事業者ほど、母数が積み上がりやすい構造です。件数と評価点だけで並べ替えるなら、個人店が上に来る場面は限られます。

ところが、常連が普通の言葉で書いた一文は、お金では買えません。そして、その一文こそがAIの判断材料になっています。

たとえば、次のような書き込みを考えてみてください。

・仕事帰りに一人で寄っても浮かない

・子どもが騒いでも大将が笑ってくれた

・観光の人はあまり見かけない

どれも点数には反映されない情報です。しかし、条件つきの質問に対しては、この一文が決め手になります。長く通う常連がいる店ほどこうした文章が集まりやすいという意味で、個人店にはむしろ地の利があります。


AIに選ばれる店になるための3つの整え方

では、具体的に何をすればよいのでしょうか。3つに絞ってお伝えします。

1 マップ上の情報を最新に保ちます

AIが読みにいくのは、店のホームページではありません。Googleマップに登録されている情報です。

営業時間、定休日、電話番号、写真、業態の説明。ここが古いままだと、AIは答えに使えません。特に営業時間が実態と違う店は、時間帯を含む質問から外れやすくなります。

ホームページを作り直すより先に、ここを直すほうが効果があります。

2 クチコミは増やすより、具体的に書いてもらいます

件数を追いかけるのは、いまの仕組みでは得策ではありません。狙うべきは、状況が具体的に書かれたクチコミです。

「おいしかったです」だけの一文は、条件つきの質問には拾われません。一方で「一人でも入りやすかった」「駐車場が広くて助かった」「子ども連れでも大丈夫だった」といった一文は、そのまま検索条件と噛み合います。

お客様にお願いするときは、点数ではなく体験を書いてもらえるよう声をかけてください。「どんな場面で使ったか書いていただけると助かります」という一言で十分です。

なお、クチコミの投稿と引き換えに割引や無料の商品を提供することは、Googleのポリシーで禁止されています。虚偽のエンゲージメントとみなされ、ビジネスプロフィールが制限される可能性があります。お願いすること自体は問題ありませんが、見返りをつけてはいけません。

3 自分の店を、お客様の言葉で検索します

いちばん確実な確認方法は、実際に試してみることです。

自分の店を名前で検索するのではなく、お客様が使いそうな条件で聞いてみてください。「〇〇駅の近くで、一人でも入りやすい〇〇の店」といった形です。

出てくれば、いまの情報でAIに届いています。出てこなければ、何が足りていないかがその場で分かります。この確認は無料で、5分あればできます。


Gmail連携を不安に感じる必要はありません

「マップに相談」には、Gmailの予約情報を参照する機能もあります。フライトやディナーの予約を自動的に考慮して、行動計画を提案してくれるというものです。

この連携について、Googleはデフォルトでオフであり、利用者自身が管理できると説明しています。今後はGoogleカレンダーなど他のアプリにも対応する予定とされています。

店側が対応することはありませんが、お客様から聞かれる可能性はあります。「初期設定では連携していません」と答えられるようにしておくと安心です。


FAQ

Q1:「マップに相談」は、もう使えますか

A:2026年8月7日から、数週間かけて順次提供されています。まだ表示されない場合は、Googleマップアプリを最新版に更新して、少し待ってみてください。

Q2:クチコミを書いてほしいとお願いしてもよいのですか

A:お願いすること自体は問題ありません。ただし、割引や無料の商品と引き換えにするのは禁止されています。見返りをつけず、体験を書いてもらうよう伝えてください。

Q3:ホームページはもう必要ないのですか

A:必要です。ただし優先順位が変わります。マップ上の情報が古いままでホームページだけ整えても、AIの回答には反映されにくくなります。まずマップ、次にホームページという順番をおすすめします。

Q4:クチコミが少ない店は不利ですか

A:件数が極端に少ないと判断材料が足りません。ただし必要なのは大量の件数ではなく、状況が書かれた数件です。まずは常連の方に、どんな場面で使っているかを書いてもらうところから始めてください。

Q5:これは飲食店だけの話ですか

A:いいえ。宿泊施設、美容室、整備工場、医院など、場所を持つ事業すべてに当てはまります。「駐車場がある」「子ども連れで行ける」「予約なしで入れる」といった条件は、業種を問わず検索されます。


まとめ

要点は3つです。

・Googleマップが会話で答えるようになり、AIはクチコミの文章を読んで店を選んでいます

・評価の点数や件数ではなく、書かれている中身が判断材料になるため、個人店にも勝ち筋があります

・やることは、マップ上の情報を最新にすること、具体的なクチコミを集めること、自分の店をお客様の言葉で検索してみることの3つです

今日できるのは3つ目です。自分の店を、お客様が使いそうな言葉で聞いてみてください。そこで出てくるかどうかが、すべての出発点になります。

▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


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