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2026/08/16

録音をそのまま渡せるGemini Notebookで議事録を作る

筆者/喜多 辰徳

会議が長いのは、まだいいほうです。本番はそのあとに来ます。録音を聞き直し、誰が何を言ったかを思い出し、決まったことを整理して、体裁を整えて共有する。この作業が終わる頃には、外が暗くなっている。こうした夕方に心当たりはないでしょうか。

この後工程は、録音を渡すだけで大半が消えます。GoogleのGemini Notebookは、音声ファイルをそのままソースとして受け取れるからです。この記事では、録音をどこに渡すかの判断と、会議のあとに残る仕事を手放すための具体的なプロンプトをお伝えします。

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会議が終わってから、もう一つの会議が始まる

1時間の会議には、目に見えない第2の会議がついてきます。議事録の清書、決定事項の整理、タスクの拾い出し、関係者への共有。これらはすべて、会議が終わってから発生する作業です。

厄介なのは、この後工程が「本来の仕事」の顔をしていないところです。議事録そのものには価値がありますが、議事録を打つ手の動きに価値はありません。価値があるのは中身だけです。

つまり、削るべきなのは会議の時間ではなく、会議のあとに残る工程のほうです。


録音をそのまま渡せるか、が入口の分かれ目

会議の後工程をAIに任せるとき、最初につまずくのがここです。ツールによって、入口の手間が変わります。

Gemini Notebookは、音声をそのまま受け取ります

Gemini Notebookは、音声ファイルを直接ソースとして追加できます。mp3、m4a、wav、mp4など、一般的な形式はひととおり対応しています。取り込んだ時点で文字起こしが行われ、そのテキストがソースとして保存される仕組みです。

つまり、レコーダーの音声をそのまま放り込めば、文字起こしを別途用意する必要がありません。

注意点もあります。発話が含まれていない音声は取り込めません。また、音質が低い場合は取り込みに失敗することがあります。Googleドライブ経由での音声インポートには対応していないため、ファイルを直接アップロードする必要があります。

Gemini Notebookは、NotebookLMの新しい名前です

この名前で検索して情報が少ないと感じた方のために補足します。Gemini Notebookは、以前NotebookLMと呼ばれていたサービスです。2026年7月16日(米国時間)に名称が変更されました。Googleは、LM(Language Model)という略語が一般のユーザーに伝わりにくかったことを理由として挙げています。

実務への影響はほとんどありません。すでに作成したノートブックはそのまま使えますし、データの移行作業も不要です。名称とロゴの切り替えは段階的に進むため、環境によっては旧名のまま見えている場合もあります。

情報を探すときは、まだ「NotebookLM」で検索したほうが多く見つかります。新旧どちらの名前で書かれた記事も、当面は同じものを指していると考えて差し支えありません。

Claudeは、文字起こしを挟む必要があります

一方、Claudeは音声ファイルの直接入力に対応していません。扱えるのはテキスト、PDF、画像、コードなどで、mp3やwavをそのまま渡すことはできません。

そのため、Claudeで議事録を作る場合は、文字起こしサービスでテキスト化してから貼り付ける流れになります。筆者自身はこの方法を使っています。ひと手間増えるように見えますが、文字起こしの精度を自分で確認できる分、固有名詞の取りこぼしに気づきやすいという利点もあります。

大事なのは、どちらが優れているかではありません。入口が違うだけで、そのあとに使う型は同じだという点です。ツール選びで止まっている方は、いま手元にあるほうで始めて構いません。


会議の後工程は、6つに分解できる

後工程をまとめて「議事録づくり」と呼んでいると、手のつけどころが分かりません。分解すると、実際にはこの6つです。

・録音から議事録の形に起こす

・決まったことと、決まっていないことを仕分ける

・タスクと担当者と期限を抜き出す

・次の会議に向けて経緯を思い出す

・欠席者に経緯を説明する

・立ち消えになった課題を掘り起こす

このうち、最初の3つは会議のたびに必ず発生します。まずここから渡すのが順当です。


議事録に起こすプロンプト

録音か文字起こしをAIに読み込ませたうえで、次のように指示します。

この会議の記録から、議事録を作成してください。

1. 会議名・日時・出席者
2. 会議の目的
3. 話し合った内容(誰が何を言ったかを添えて)
4. 決まったこと(担当者と期限を添えて)
5. 決まっていないこと(次回までにどうするかを添えて)
6. やること一覧(担当者・期限・優先度)

この会議に出ていない人が読んでも、全体像がつかめるようにまとめてください。

うまく動かすためのコツが2つあります。

1つ目は、社内で評判の良かった過去の議事録を1本、あらかじめ読み込ませておくことです。そうすると、出てくる文書が自社の型に寄ります。

2つ目は、出てきたものをそのまま配らないことです。固有名詞と数字だけは、必ず自分の目で確認してください。AIは話の流れを整えるのは得意ですが、社名や金額の聞き取りには間違いが混ざります。


決まったことと、決まっていないことを分ける

会議のあとに残るモヤモヤの正体は、たいていこの2つが混ざっていることです。「あの件は決まったのか、保留なのか」が曖昧なまま各自が動き出すと、後で必ず手戻りが起きます。

この会議の内容を、次の形で整理してください。

1. 結論(3行で)
2. 決まったこと(誰が・何を・いつまでに)
3. 決まっていないこと(理由と、次回どうするか)
4. 参加者ごとの発言の要点

「決まったこと」と「決まっていないこと」は、はっきり分けてください。

この仕分けは、人がやると必ず主観が入ります。「たぶん決まったことにしていいだろう」という判断が混ざるからです。機械的に分けさせることに意味があります。


たまってくると、効き方が変わります

ここまでは1回の会議の話ですが、議事録がたまってくると、できることが変わります。

過去の議事録をまとめて読ませておくと、次の会議の前に「前回までのあらすじ」を数十秒で作れます。会議の冒頭で毎回発生している「前回のおさらい」の時間が、そのまま消えます。

欠席者への説明も、同じ仕組みで手放せます。議事録の入った場所を共有して、本人に直接聞いてもらえばいいからです。説明する側の負担は、リンクを送るところで終わります。

もう一つ効くのが、立ち消えになった課題の掘り起こしです。「その件は次回までに検討」と言ったきり、誰の記憶からも抜け落ちる案件は、どの職場にもあります。複数回の会議を横断して宙に浮いたままの件を拾えるのは、全部の議事録を同時に覚えていられるAIならではです。

これは時短というより、事故の予防に近い効果です。


最初にやること

全部を一度に始める必要はありません。次の会議を1本、試しに渡してみてください。

・録音か文字起こしを用意する

・上のプロンプトを貼る

・出てきた文書の、固有名詞と数字だけ確認する

ここまでで、清書という工程が消えます。1本回してみると、感覚がつかめます。

会社の資料をAIに入れる前に、社内ルールの確認だけは済ませておいてください。取引先の名前や金額が含まれる録音であればなおさらです。判断がつかない場合は、社名を伏せる、金額をダミーに置き換えるといった処理をしてから渡すという手もあります。


よくある質問

Q. 録音データをAIに入れても大丈夫でしょうか。

A. 社内ルールの確認が先です。会社によっては、外部サービスへの音声アップロードそのものを制限している場合があります。判断がつかないときは、固有名詞や金額を伏せたテキストにしてから渡す方法が現実的です。

Q. AIが作った議事録は、そのまま配ってよいですか。

A. 配らないでください。固有名詞と数字は必ず自分で確認する工程を残してください。話の構造を整える精度は高いのですが、社名や金額の聞き取りには誤りが混ざります。

Q. 文字起こしの精度が低いときはどうすればいいですか。

A. 録音環境を先に見直すほうが早いです。マイクを話者の近くに置く、空調の音を避けるといった対策で結果が変わります。Gemini Notebookも音質が低い場合は取り込みに失敗することがあります。

Q. NotebookLMとGemini Notebookは、別のサービスですか。

A. 同じものです。2026年7月16日に名称が変更されました。既存のノートブックはそのまま使えますし、移行作業も不要です。

Q. 無料のままでも使えますか。

A. この記事で扱った議事録の作成と整理は、無料の範囲でも試せます。まず1本回してみて、続けられそうなら有料プランを検討するという順番で問題ありません。


まとめ

会議の後工程を手放すために、押さえるべきことは3つです。

・削るのは会議の時間ではなく、会議のあとに残る工程のほうです

・Gemini Notebookは録音をそのまま受け取れます。Claudeは文字起こしを挟みますが、そのあとに使う型は同じです

・出てきた文書の固有名詞と数字だけは、自分の目で確認してください

まずは次の会議を1本、渡してみてください。清書という工程が消える感覚がつかめれば、あとは自然に増えていきます。

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