お問い合わせ

TOPICS

2026/10/10

Claudeのスキルで文章のAI臭さを防ぐ。編集者のルール集

筆者/喜多 辰徳

AIに書かせたお知らせやブログを読み返して、「なんだかAIっぽい」と感じたことはありませんか。言いたいことは合っているのに、どこか中身が薄く見えます。その原因の多くは、AIが好んで使う決まった言い回しです。

この記事では、技術書の編集者が公開した日本語の文章ルール集を使い、書く前からClaudeに書き方を守らせる方法を紹介します。AIのチカラ編集部で実際に取り入れた手順と、書いた後に機械で拾う仕組みもあわせてお伝えします。

▼記事を3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


AIっぽさの正体は、決まった言い回しの繰り返しです

AIの文章が不自然に見えるのは、文法が間違っているからではありません。同じ型の言い回しを何度も使うことが原因です。

・「〜において」「さらに」「また」で文をつなぎ続ける

・「包括的」「不可欠」「極めて」のように、根拠のない強い形容を足す

・「本記事では〜を解説します」と前置きし、最後に「要するに」でまとめ直す

一つひとつは誤りではありません。ただ、同じ型が続くと、読み手は「読まなくても分かる文」だと感じて読み飛ばします。お店のお知らせでも、会社の案内文でも同じことが起きます。

AIのチカラでは以前、書き終えた文章をプロンプトで直す方法を「AI臭を消すプロンプトの使い方」で紹介しました。今回は、書く前に防ぐ方法です。


技術書の編集者が公開した「日本語の文章ルール集」

紹介するのは、GitHubのGist(文章やコードを公開できる場所)で公開されている「japanese-tech-writing/SKILL.md」です。作ったのは、技術書の出版社ラムダノートの代表、鹿野桂一郎さんです。2026年9月29日時点で2,000を超えるスターが付いています。ライセンスはUnlicenseで、改変も再配布も自由とされています。

中身は9つの章に分かれています。

・段落と論証の組み立て方

・根拠のない推量や「必ず」を書かないこと

・読み手に一度に多くを渡さないこと

・行為者を主語にし、具体的な語を選ぶこと

・決め台詞や煽りを控えること

・LLM(ChatGPTやClaudeのような文章を作るAI)っぽい表現の禁止

・翻訳調の比喩や擬人化の禁止

・同じことを繰り返さないこと

・見出しの付け方と、読者への誠実さ

AIが書きがちな型を、具体的な語で名指ししている点がこのルール集の特徴です。


SKILL.mdは、Claudeに渡す「仕事の手順書」です

SKILL.mdは、Claudeに特定の仕事のやり方を覚えさせるためのファイルです。Claude Codeでは、決まったフォルダに置いておくと、関係する仕事のときにClaudeが自分で読み込みます。毎回同じ注意書きを貼り付ける手間がなくなります。

自分のパソコンで使う場合の置き場所は次のとおりです。

~/.claude/skills/japanese-tech-writing/SKILL.md

フォルダの操作に慣れていなければ、Claude Codeに「このGistのSKILL.mdを読んで、自分用のスキルとして置いて」と頼めば、置く作業も任せられます。スキルの基本は、デスクトップアプリでスキルを使う方法の記事で紹介しています。


そのまま入れず、自分の文章に合わせて削ります

このルール集は技術書のために作られています。そのまま入れると、自分たちのルールとぶつかる項目が出てきます。AIのチカラ編集部で取り入れたときは、次の3つを外しました。

・「AI」「ツール」を曖昧な語として避ける項目。AIを扱う媒体なので外しました

・太字を1つの節に1〜2か所まで認める項目。編集部は太字を使わないので不要でした

・体言止めを山場だけ認める項目。編集部は体言止めを使わないので不要でした

残した項目は、編集部の執筆ルールに次の形で書き足しました。そのままコピーして、AIへの指示に貼り付けて使えます。

使わない言い回し
・前置きとまとめの決まり文句:「本記事では〜を解説します」「要するに」「重要なのは〜です」
・中身のない形容:「不可欠」「核心的」「多角的」「包括的」「極めて」
・中身のない動詞:「掘り下げる」「言語化する」「正面から扱う」
・つなぎの連打:「〜において」「〜の観点から」「さらに」「また」を続けて使わない
・弱いぼかし:「〜と言えるでしょう」(根拠がないとき)

書き方
・1つの段落には1つの話題だけ
・同じことを2回書かない
・確認していないことを、確認したように書かない

お店のお知らせなら季節の決まり文句、会社の案内文なら社内でしか通じない言葉のように、自分の文章でよく出る癖を足していくと、自分に合ったリストになります。


書いた後は、機械でもう一度拾います

ルールを渡しても、AIは長い文章の途中で癖を出すことがあります。書いた本人であるAIに自分の文章を採点させると甘くなりやすい、というのが編集部の考えです。

そこで編集部では、公開前の検品の仕組みに、NG語を探すチェックを足しました。原稿の中にリストの言い回しがあれば、どの語が何回出たかを書き出します。「非常に」のように根拠があれば使ってよい語もあるので、自動では消しません。人が見て決める「要確認」の扱いにしています。

過去の原稿3本で試したところ、拾ったのは1本の中の「に触れ」の1か所だけでした。警告が多すぎて誰も見なくなる心配は、今のところ小さそうです。

プログラムを作らなくても、同じ確認はできます。書き終えた文章を、書かせたときとは別の会話でClaudeに渡し、「このリストの言い回しが入っていないか、場所を挙げて」と頼んでください。


「バレないため」ではなく「伝わるため」に使います

SNSでは、このルール集が「AIの文章がバレなくなる」という打ち出しで紹介されることもあります。ただ、中身を読むと、目的は読みやすい日本語を書くことにあります。NG語を消しても、書いてある中身が薄ければ読み手には伝わりません。

ルール集の最後の章には、確認していないことを滑らかに書かない、という項目があります。AIに任せる部分が増えるほど、この項目は効いてきます。お店のこだわりや会社の実績のように、自分にしか書けない中身を足す仕事は、最後まで人の手に残しておきましょう。


よくある質問

Q. ChatGPTでも使えますか?

A. 使えます。SKILL.mdの中身は普通の文章なので、ChatGPTのプロジェクトの指示などに貼り付ければ、同じルールを渡せます。長すぎる場合は、自分に必要な章だけに絞ってください。

Q. ルール集は英語で書かれていますか?

A. 日本語で書かれています。日本語の技術文書を書くためのルール集です。

Q. 仕事の文章に使っても問題ありませんか?

A. ライセンスはUnlicenseで、改変や再配布も自由とされています。使う前に、Gistのライセンス表記を自分でも確認してください。

Q. NG語を全部消せば、AIが書いたと分からなくなりますか?

A. 言い回しの癖は減りますが、それだけで分からなくなるとは言えません。中身の薄さや確認不足のほうが、読み手には伝わりやすいためです。自分で確かめた情報や経験を足すことを優先してください。


まとめ

・AIっぽさの多くは、決まった言い回しの繰り返しから生まれます

・技術書の編集者が公開したルール集をSKILL.mdとして持たせると、書く前から癖を防ぐ指示をClaudeに渡せます

・そのまま使わず自分のルールに合わせて削り、書いた後にもう一度NG語を探してください

まずは上のリストを、次にAIへ頼む文章の指示に貼り付けるところから始めてみてください。

▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


AI活用について、社内でどう進めるべきか迷っていませんか?
AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。
まずはお気軽にご相談ください。

30分無料相談はこちら

AI活用を一緒に考える(無料30分)

この記事をシェアする

ホームTOPICS

Claudeのスキルで文章のAI臭さを防...