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2026/09/08

展示会ブース用の動画とポスターをAIで作る費用と逆算スケジュール

筆者/喜多 辰徳

展示会の出展が決まって、ブースで何か流したいと考えたとき、最初にぶつかるのは制作会社のサイトです。事例は並んでいるのに、金額も期間も書かれていません。お問い合わせくださいとだけ書かれています。

それでは社内の稟議が書けません。

この記事では、展示会向けの動画とポスターについて、費用の考え方、会期からの逆算スケジュール、発注する側に用意していただくものを先に公開します。問い合わせる前に、社内で話を進められる状態にしていただくための記事です。


展示会の映像は、質より先に間に合うかで決まります

展示会には、他の制作物にはない特徴があります。会期の日付が動かないことです。

ウェブサイトや会社案内なら、多少遅れても公開日をずらせます。展示会はずらせません。初日の朝までに間に合わなければ、その制作物は存在しなかったのと同じになります。

ですから、最初に決めるべきなのは方向性でも予算でもありません。今から動いて間に合うのかどうかです。

わたしたちが公開している目安は、30秒の映像で1ヶ月から1ヶ月半です。展示会用に複数の尺を揃えるなら、これより長くかかります。会期の日付を手元のカレンダーで確認して、逆算してください。

間に合うかどうかだけの相談も受け付けています。判断がつかない段階でご連絡いただいて構いません。


ブースで映像が機能しない原因は3つあります

会場で流れているのに誰も見ていない映像には、共通する原因があります。発注の段階で防げるものばかりです。

音が聞こえない会場で、音声に説明を任せている

展示会場は想像以上にうるさい場所です。隣のブースの呼び込み、通路の話し声、館内アナウンスが重なります。タブレットやモニターのスピーカー程度では、音声は通行者まで届きません。

ナレーションで説明する構成にすると、会場では意味の分からない映像が流れているだけになります。音が一切聞こえなくても内容が追えるかどうかを、発注時に必ず確認してください。

通行者と滞在者に、同じ尺を見せている

通路を歩いている人がブースに視線をくれる時間は数秒です。一方、足を止めた人には1分以上見てもらえます。

この2つに同じ映像を見せると、どちらにも合いません。通行者には長すぎ、滞在者には物足りなくなります。

数秒しかないのに、製品説明を詰め込んでいる

会期の2日間で、通行者に製品を理解してもらうのは現実的ではありません。ゴールを社名を覚えて帰ってもらうことに絞ると、作るものが変わります。

説明する映像ではなく、印象に残る映像を作ることになります。


展示会用は、動画を1本ではなく3本に分けます

上の3つを踏まえると、動画は用途別に分けるのが合理的です。わたしたちは次の3本を基本の構成にしています。

・予告編は30秒前後で、通路を歩いている人の視界に入れるためのものです。短く、色と動きだけで引きます

https://www.youtube.com/watch?v=t4yW3Zso-JU

・本編は1分半前後で、足を止めた人に見てもらうためのものです。物語として最後まで通します

https://www.youtube.com/watch?v=QhrqPUPU14o

・ループ版は2分前後で、ブースで流し続けるためのものです。予告編と本編をつないで繰り返します

https://www.youtube.com/watch?v=CPUH5vr2zIQ

自社のブース用に制作した実物では、予告編が33秒、本編が1分33秒、ループ版が2分8秒になりました。同じ素材を、見る人の状態に合わせて組み替えています。

新しく撮り直すのではなく、1つの素材から3つの尺を作るため、本数が3倍になっても費用は3倍にはなりません。


ポスターは動画とセットにすると効きます

動画だけでブースを組むと、弱い時間帯が生まれます。映像が切り替わる瞬間、機材が不調なとき、通行者がモニターの正面に立てないときです。

紙のポスターには、電源も音声も必要ありません。会場のどんな条件でも機能する、いちばん確実な媒体です。

わたしたちは2枚を対にして制作しました。片方に「勝つのは、効率か。」と入れ、もう片方に「勝つのは、慣習か。」と入れています。同じ問いの型で、答えだけを変えています。

1枚だけならかっこいい絵で終わります。2枚を並べると、見た人の中に選択が生まれます。どちらの側に自分がいるかを、一瞬でも考えることになります。

ポスターの制作費は動画より大きく下がります。予算が限られている場合は、ポスターだけを先に作る進め方もあります。


本編の前に3つの世界観を見比べていただきます

従来、映像の方向性は絵コンテか企画書で決めるのが普通でした。ただ、文字と線画だけでは、完成したときの空気感までは伝わりません。

そこでわたしたちは、本編の制作に入る前に、世界観の異なる3案をキービジュアルと音源で提示しています。一枚絵に音楽を合わせたもので、キャラクターの動きや合体や戦闘のシーンは作り込みません。この段階の目的は演出の完成度を見ることではなく、どの方向で進めるかを決めていただくことだからです。

AIを工程に組み込むと、この確認用の素材を用意するコストが下がります。1案に絞り込んでから作り始めるのではなく、複数の方向性を目で見て比べたうえで選べます。

自社の制作では、熱血の合体ロボット、夜の潜入劇、電脳サイバーパンクの3つを用意しました。並べてみると、文字の企画書では気づかなかった差が出ました。後の2つは絵として洗練されていましたが、通行者が数秒で受け取るには情報が多すぎました。

https://www.youtube.com/watch?v=0zBHmJNKvv8

https://www.youtube.com/watch?v=N-MoR1YNFVY

https://www.youtube.com/watch?v=Hsrkn48oNCw

方向性を選んでいただいたあとに、採用案の具体的な演出と本編の制作へ進みます。今後は一枚絵ではなく、世界観の分かるキービジュアルを複数枚つないで、紙芝居のような形でお見せする予定です。

発注する側にとっての意味は、外れを引くリスクが下がることです。仕上げの工程に入る前に方向性を確定できるため、完成してから思っていたものと違ったという事故が起きにくくなります。


費用と期間の考え方

わたしたちが公開している基準は、30秒の映像で30万円から(税別)、制作期間は1ヶ月から1ヶ月半です。

展示会用のセットは、動画の本数と尺、ポスターの有無で変わります。構成が決まった段階でお見積もりをお出しします。お見積もりとご相談は無料です。

お見積もり・ご相談はこちら

会期から逆算して動く時期を決めます

短納期をうたっていないのは、方向性の承認までを丁寧に進めるためです。ここを急ぐと、あとで台本まで戻ることになり、結局は遅くなります。

展示会は日付が動きません。30秒1本で1ヶ月から1ヶ月半かかる以上、動画3本とポスターまで揃えるなら、それ以上の期間を見ておく必要があります。

目安として、会期の3ヶ月前には方向性を決めておきたいところです。2ヶ月を切っている場合は、作るものを絞れば間に合う可能性があります。まず現時点の残り日数をお知らせください。

発注する側に用意していただくもの

準備物は多くありません。次の4点があれば着手できます。

・ロゴのデータをいただきます。できればイラストレーター形式が望ましいです

・会社案内かウェブサイトのURLをいただきます。台本の材料にします

・ブースの図面か、間口と奥行と高さの寸法をいただきます。上映機材の想定を決めます

・来場者に持ち帰ってほしいことを1つだけ決めていただきます。社名なのか、製品名なのか、技術の特徴なのかを絞ります

台本も絵コンテも、こちらで用意します。社内で映像の知識をお持ちの方がいなくても進みます。


展示会が終わっても使い回せます

会期の2日間だけのために作るとなると、稟議は通りにくくなります。

わたしたちは、会期名や会場名を映像の中に焼き込まない設計にしています。編集で差し替えられる形にしておけば、次回以降の展示会でもそのまま使えます。

さらに、ひとつのテーマから次のような展開ができます。

・採用広報用に、尺と締めのメッセージを変えたものを作れます

・SNS投稿用に、縦型の短い動画へ切り出せます

・営業資料用に、静止画のカットを抜き出せます

・会社紹介として、ウェブサイトのトップに置けます

同じ素材を複数の用途に回すと、1回あたりの費用は下がっていきます。稟議に書くのは展示会の予算でも、実際には年間の広報素材として機能します。


権利と品質の確認はこちらで持ちます

生成AIを使った制作物について、既存作品との類似や権利の扱いを心配される方は少なくありません。わたしたちは、生成AIだから安全だとは考えていません。3つの段階で確認しています。

・入力の段階では、本人の同意が取れていない人物写真や、著作権のあるものを参照に使いません

・設計の段階では、登場人物と敵とメカと武器と固有名詞をすべて新規に設計します。参考にする場合も、構図やカメラや動作の原理といったレベルまで抽象化します

・出力の段階では、既存作品との類似、人物の崩れ、ロゴや文字の誤りを人が確認します

そのうえで申し上げると、生成AIと著作権の判断は個別の利用状況によって変わります。一律に問題ないと保証することはしません。商用でお使いいただく場合は、契約書と各サービスの利用規約を案件ごとに確認しています。

品質についても同様です。技術的に生成が成功していても、意図と違えば採用しません。使える区間だけを切り出して、編集でつないでいます。この選別と編集は人が行っています。


よくある質問

Q. うちの業種でもできますか

A. できます。画風は会社に合わせて変えられます。勢いのあるヒーロー調から、落ち着いた現代アニメ調まで対応しています。業種よりも、来場者に何を持ち帰ってほしいかで決まります。

Q. 会期まで2ヶ月を切っていますが間に合いますか

A. 作るものを絞れば可能性があります。動画3本とポスターの全部を揃えるのは難しくても、ループ版1本、あるいはポスターだけという進め方があります。まず残り日数をお知らせください。間に合うかどうかの判断だけでもお答えします。

Q. 費用はいくらですか

A. 30秒の映像で30万円から(税別)を基準にしています。展示会用のセットは、動画の本数と尺、ポスターの有無で変わります。お見積もりは無料です。

Q. 社内に映像の知識がある人間がいませんが大丈夫ですか

A. 大丈夫です。ロゴのデータ、会社案内かウェブサイト、ブースの寸法、来場者に持ち帰ってほしいこと1つ。この4点があれば着手できます。台本も絵コンテもこちらで用意します。

Q. 展示会が終わったら使えなくなりませんか

A. 使えます。会期名や会場名を映像に焼き込まない設計にしているため、次回以降の展示会でもそのまま使えます。採用広報やSNS、営業資料への展開もできます。


まとめ

展示会向けの動画とポスターを検討する際に、先に押さえておきたいことは3点です。

・会期の日付は動きません。質を検討する前に、逆算して間に合うかを確認してください

・動画は1本ではなく、通行者向けと滞在者向けとループ用に分けたほうが機能します

・準備物はロゴと会社案内とブース寸法と伝えたいこと1つで、社内に映像の知識は必要ありません

会期まで3ヶ月を切っているなら、今日のうちに残り日数だけでもお知らせください。間に合うかどうかの回答は無料でお出しします。

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