求人を出しても応募が来ない。やっと来てくれても、教える時間を取れないまま辞めてしまう。人を1人か2人雇う個人店で、いちばん重くのしかかるのはこの2つではないでしょうか。
人事の担当者がいる会社なら、求人票も面接も専門の人が引き受けてくれます。個人事業では、それを本業の合間に自分でやることになります。原因は、経営者の教え方が下手だからではありません。採用と育成が、ひとかたまりの大仕事のままになっているからです。頭の中にはやり方があるのに、言葉になっていません。だから求人票の空欄の前で手が止まります。
この記事では、採用と育成を10の工程に分けます。そのうちAIに渡せる5つには、そのままコピーして使えるプロンプトを用意しました。読み終えたときには、今日どこから手をつければいいかが決まります。
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まず「分解」から始める理由
採用がつらいのは、やることが多いからではありません。全部が同時に来るからです。工程に分けると、それぞれの正体が見えてきます。調べる作業なのか、書く作業なのか、それとも決める作業なのか。この3つは性質がまったく違います。

調べる作業と書く作業は、外に出せます。決める作業だけは、経営者が握り続けます。分解とは、この線を引くための作業です。
採用と育成を10個に分けてみる
人を1人迎えるまでと、迎えたあとを並べると、次の10個になります。
・求人票のたたき台をつくる ・応募への返信を書く
・面接で聞くことを決める
・働く条件を整理する
・初日の案内をつくる
・仕事の手順書をつくる
・シフトを組む
・面談の記録を残す
・評価を言葉にする
・引き継ぎをまとめる

書き出してみると、採用そのものは前半の5つだけだと分かります。後半の5つは育成です。人が続かない店は、後半に手が回っていないことが多いのではないでしょうか。
AIに渡せる5工程とプロンプト
10のうち、書く作業が中心の5つを渡します。誰を採るか、いくら払うかという判断は、渡しません。

求人票のたたき台をつくる
自分の店の1日を、応募者が読める言葉に変える工程です。
あなたは求人原稿のライターです。
以下の条件で、応募したくなる求人票のたたき台を作ってください。
・店の種類:
・募集する仕事:
・働く時間:
・時給:
・いちばん伝えたいこと:
条件を並べるだけでなく、その仕事の1日の流れが目に浮かぶ書き方にしてください。
未経験の人が「これなら自分にもできそう」と感じる表現を使ってください。応募への返信を書く
営業後の疲れた頭で文面を考えなくて済むように、先に型をつくっておきます。
以下の応募メッセージへの返信文を3案作ってください。
・応募内容:
・返信で伝えたいこと:面接日程の候補、持ち物、店の場所
案1は丁寧な文章、案2は短く読みやすい文章、案3は親しみのある文章にしてください。
どの案も、応募してくれたことへのお礼から始めてください。面接で聞くことを決める
その場で思いついた質問をするから、毎回ぶれます。聞くことを先に決めておきます。
個人店の面接で使う質問リストを10個作ってください。
・募集する仕事:
・いっしょに働くうえで大事にしたいこと:
経歴を確認する質問ではなく、その人の働き方や考え方が分かる質問にしてください。
質問ごとに「この答えが返ってきたら良いサイン」を1行添えてください。仕事の手順書をつくる
頭の中にあるやり方を、外に出す工程です。ここが育成の要になります。
以下の作業について、初めての人が読んで動ける手順書を作ってください。
・作業の名前:
・私がいつもやっている流れ:(思い出せる順に、雑な箇条書きで構いません)
手順に番号を振って並べ、各手順に「なぜそうするのか」を1行添えてください。
最後に、初めての人がつまずきやすい点を3つ挙げてください。面談の記録を残す
話しっぱなしにせず、次につながる形に整えます。
以下のメモを、あとから読み返せる面談記録に整えてください。
・話した相手:
・メモ:(思い出せるだけ箇条書きで)
次の3つに分けて整理してください。
・本人が困っていること
・こちらが約束したこと
・次の面談までに確認すること人に頼む前に、小さく試す
求人媒体や採用代行にお金を払う前に、1工程だけ試してみてください。
おすすめは手順書です。求人票は年に数回しか使いませんが、手順書は人が入るたびに効きます。しかも、書き出す過程で自分の店のやり方が整理されます。

いきなり10の工程すべてを変えようとすると続きません。1つ渡してみて、手応えがあれば次に進みます。
よくある質問
Q. まだ従業員がいません。これから初めて雇う段階でも使えますか
A. 使えます。むしろ雇う前に手順書をつくっておくと、教える段階で慌てずに済みます。6番目の工程から先に手をつけても構いません。
Q. AIが書いた求人票を、そのまま出していいですか
A. そのままは避けてください。たたき台として受け取り、実際の労働時間や仕事内容が合っているかを必ず自分で確認します。事実と違う内容で募集すると、入った人との食い違いにつながります。
Q. 面接の質問までAIに決めさせて大丈夫ですか
A. 質問を用意することと、誰を採るかを決めることは別です。前者は渡せますが、後者は渡せません。実際に会って感じたことが最後の判断材料になります。
Q. 手順書をつくる時間がそもそもありません
A. まとめてつくらなくて構いません。作業を1つ選び、思い出せる範囲を雑に書いてAIに渡すところから始めます。整った文章にするのはAIの仕事です。
Q. 応募者の情報をAIに入力しても問題ありませんか
A. 氏名や連絡先はそのまま入れないでください。返信文をつくるときは、名前を伏せた状態で内容だけを渡します。応募者の個人情報を守るのは、雇う側の責任です。
まとめ
採用と育成で押さえる点は3つです。
・まず10の工程に分けて、書く作業と決める作業の線を引く
・書く作業はAIに渡し、誰を採るかの判断は自分が握る
・全部を変えず、手順書など1つの工程から試す
今日できることは、紙を1枚用意して、人を迎えてから任せるまでの流れを思い出せるだけ書き出すことです。それがそのまま、最初のプロンプトの材料になります
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