証券口座やSNSのアカウントが乗っ取られたという話を、最近よく耳にします。手口として名前が挙がるのは、パスワードを当てにいくやり方ではなく、パソコンに入り込んでログイン中の情報を抜き取るやり方です。
では、自分のMacは大丈夫かと聞かれて、すぐに答えられるでしょうか。筆者は、普段の仕事で使っているAI(Claude Code)に、Macのセキュリティ点検を頼んでみました。
結果、基本の設定はすべて合格でした。ただ、一覧を見て1つ気づいたことがあります。AIへの依頼文と点検した項目、点検して気づいたことを紹介します。
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パソコンの乗っ取りは「入り込んで抜く」手口が目立っている
最近の乗っ取り被害で名前が挙がるのが、インフォスティーラー(情報窃取型マルウェア)です。パソコンに潜り込み、ブラウザに保存されたIDやパスワード、ログイン状態を保つための情報(Cookie)を外へ送ります。
厄介なのは、ログイン状態の情報を盗まれると、2段階認証を済ませたあとの状態ごと使われるおそれがある点です。画面に目立つ異変が出にくく、感染に気づきにくいとも指摘されています。
入口になりやすいのは、出どころの分からないソフト、本物そっくりの偽サイト、ブラウザの拡張機能です。Macを狙う情報窃取型マルウェアの報告も、2026年に入ってセキュリティ企業から続けて出ています。
AIに頼んだのは「読むだけの点検」
点検には、Claude Codeのデスクトップアプリを使いました。Claude Codeは、Macの中で命令を実行して、設定の状態を調べることができます。初期設定では、読み取りだけの一部の命令を除き、実行の前に許可を求める画面が出ます。
依頼するときは、最初に「設定は変えない、読むだけ」とはっきり書きます。消す・変えるの判断は、結果を見てから人がします。筆者が頼んだ内容を、そのまま使える依頼文にしました。
このMacのセキュリティ設定を点検してください。
設定の変更やファイルの削除はせず、読み取りだけで確認してください。
確認してほしいこと
・FileVault(ディスクの暗号化)がオンになっているか
・画面ロックのパスワードが「すぐに」求められる設定か
・自動ログインがオフになっているか
・ファイアウォールがオンになっているか
・Gatekeeper(確認されていないアプリを止める仕組み)が有効か
・macOSの自動アップデートがオンか
・画面共有、ファイル共有、リモートログインが止まっているか
・Macの起動時に自動で動くアプリと常駐プログラムの一覧
・Chromeの拡張機能の一覧と、すべてのサイトの内容を読める権限を持つもの
結果は「問題なし」と「確認してほしい」に分けて、専門用語を使わずに説明してください。
見覚えがなさそうなものは、開発元と、いつ入ったかも調べてください。点検した7つの設定は、すべて合格だった
まず、Macの基本の守りです。筆者のMacでは、次の7つとも問題ありませんでした。
・FileVault(ディスクの暗号化)はオン。盗難や紛失のとき、中身を読まれにくくします
・画面ロックは、スリープやスクリーンセーバーの直後に、すぐパスワードを求める設定
・自動ログインはオフ
・ファイアウォールはオン。外からMacへの接続を防ぎます
・Gatekeeperは有効。Appleが確認していないアプリを開く前に止める仕組みです
・macOSの自動アップデートはオン
・画面共有・ファイル共有・リモートログインは、どれも動いていない
引っかかったのは、別のところでした。

気づいたのは、入れたものを覚えていないこと
AIがまとめた一覧の中に、見慣れない名前のアプリが1つありました。調べてもらうと、3か月ほど前に筆者自身がAIに頼んで入れたものでした。Macのふたを閉じても作業を止めないためのアプリでした。
AIに頼めば、ツールの導入は手順ごと任せられます。その代わり、自分の手で入れたという記憶が残りません。設定が合格でも、何が入っているかは定期的に見直しておく必要があります。
あわせて、使っていない拡張機能や、つながったままの外部サービスも見直しました。拡張機能の中には、開いたページの内容を読める権限を持つものもあります。使わないものは外しておくと安心です。
AIを使わずに自分で確認する場所
AIを使わない場合も、同じ項目は画面から確認できます。表示名はmacOSのバージョンによって少し違います。
・FileVaultは「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」の中
・画面ロックは「システム設定」の「ロック画面」で、パスワードを要求するまでの時間を「すぐに」にする
・ファイアウォールは「システム設定」の「ネットワーク」の中
・共有機能は「システム設定」の「一般」にある「共有」
・起動時に動くものは「システム設定」の「一般」にある「ログイン項目」で始まる項目
・Chromeの拡張機能は、アドレスバーに chrome://extensions と入力して開く
・Googleアカウントにつながったサービスは myaccount.google.com/connections で見る
つまずきやすいのは、起動時に動くものの確認です。名前だけでは正体が分からず、開発元や入れた時期まで調べるのは手間がかかります。ここはAIに任せる価値がある部分でした。

AIに点検を任せるときに守っていること
AIに自分のパソコンを調べさせるときに、筆者が守っているのは次の3つです。
・依頼文に「変更しない、読むだけ」と書く
・削除や変更は、AIの説明を読んで人が決めてから行う
・パスワードの入力が必要な作業は、AIに頼まず自分で行う
AIに渡す権限の決め方は、Claude Codeのセキュリティ設定の記事にまとめています。点検を始める前に、こちらもあわせて確認してください。
よくある質問
Q. ChatGPTのアプリでも同じ点検はできますか?
チャット画面だけでは、Macの中の設定は見えません。Claude CodeやCodexのように、パソコンの中で命令を実行できるAIが必要です。チャット画面しか使えない場合は、「自分で確認する場所」を見ながら1つずつ確認してください。
Q. Windowsのパソコンでもできますか?
頼み方は同じですが、確認する項目の名前が変わります。ディスクの暗号化は「デバイスの暗号化」またはBitLocker、ウイルス対策はMicrosoft Defenderが対象です。筆者はWindowsでは試していないので、結果の読み方はAIに説明してもらいながら進めてください。
Q. 点検の途中で、AIが勝手に設定を変えることはありませんか?
まず、依頼文で変更を禁止しておきます。そのうえで、許可を求める画面に出た命令が読むだけのものか分からないときは、許可する前に「この命令は何をしますか」とAIに聞いてください。
Q. どのくらいの頻度で点検すればいいですか?
新しいツールを入れたあとに一度、加えて季節の変わり目など日を決めて見直すと忘れにくくなります。AIに頼んでツールを入れることが多い人ほど、入れたものを忘れやすくなります。
まとめ
・Macの基本の設定は、AIに頼めば読むだけで点検できる
・見落としやすいのは、設定よりも「入れたもの」の棚卸し
・削除や変更は、AIの説明を読んでから自分で決める
まずは依頼文をコピーして、今使っているMacで点検してみてください。設定が合格でも、忘れていたアプリや拡張機能が一覧に出てくることがあります。
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