チラシ、SNSの投稿画像、お客さまに渡す資料。並べてみると、どれも少しずつ色が違います。フォントもばらばらです。作ったのは全部自分なのに、なぜかそろいません。
そう感じたことはありませんか。原因はセンスではありません。「うちの決まりごと」が、どこにも書かれていないからです。
この記事では、すでに手元にあるはずの答え、つまり自社のWebサイトから、色やフォントのルールを取り出す方法を紹介します。Web制作の知識は必要ありません。
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そろわないのは、決まりごとが言葉になっていないからです
多くの個人事業主にとって、Webサイトは制作会社に作ってもらったものです。打ち合わせで「明るい感じで」「和の雰囲気で」と伝え、上がってきたものに納得して公開します。ここまでは自然な流れです。
問題はその後です。サイトを作った人の頭の中には、はっきりしたルールがあります。しかし、そのルールが書かれた資料は、たいてい手元に残りません。だから自分でチラシを作るとき、記憶と勘で色を選ぶことになります。

ブランドがばらつく原因は、作り手の能力ではありません。参照するものが一枚もないことです。
答えは自社サイトの中に、すでに書かれています
ここで使うのが、DESIGN.md Style Extractor というChrome 拡張機能です。

見ているWebページを開いた状態でボタンを押すと、そのページのデザイン設定を読み取り、Markdownという形式のテキストファイルにまとめてくれます。GitHubでソースコードが公開されているオープンソースの拡張機能で、Chrome ウェブストアから無料で入手できます。
取り出せるのは、この6種類です
・タイポグラフィ(フォントの種類、大きさ、太さ)
・カラー(配色)
・スペーシング(余白の取り方)
・角丸(角の丸みの大きさ)
・シャドウ(影のつけ方)
・モーション(動きの速さ)

出力されるファイルは2種類です。人が読むための DESIGN.md と、AIに渡すための SKILL.md が選べます。
手順は4つです
・Chrome ウェブストアの配布ページを開き、拡張機能を追加します
・自社サイトのトップページを開きます
・ツールバーの拡張機能アイコンを押します
・表示された内容を確認し、ファイルとしてダウンロードします

出てきたファイルには、たとえば「メインカラーは #1A3A5C」「見出しのフォントサイズは 28px」のように、そのサイト固有の具体的な値が並びます。これが、これまでどこにもなかったブランドガイドの原型です。
取り出したあと、何に使えるのでしょうか
外注先に渡す指示書になります
「トップページと同じ雰囲気で」という口頭の依頼が、数値の書かれた文書に変わります。デザイナーやライターに渡せば、認識のずれが減ります。
資料や画像の配色設定に使えます
プレゼン資料の配色、SNS投稿画像のテンプレート、名刺。どれも、ファイルに書かれた色コードとフォント名をそのまま設定すればそろいます。
AIに作業を任せるときの設計図になります
「いい感じのバナーを作って」と頼むと、AIは毎回違うものを出してきます。ファイルの内容を先に渡してから頼むと、出力が安定します。
Claudeなどの生成AIに渡すときは、次のように書き添えると意図が伝わりやすくなります。
以下は当社サイトのデザイン仕様書です。
この配色・フォント・余白のルールに厳密に従って、
[作りたいもの]を作成してください。
仕様書に書かれていない色やフォントは使わないでください。
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(ここにDESIGN.mdの中身を貼り付ける)使う前に決めておきたいことが2つあります
ひとつめは、どのChromeで使うかです。この拡張機能は、開いているページの中身を読み取る性質のものです。メールや会計サービスにログインしたままのブラウザに入れるより、実験用のプロフィールを別に作って、そこで使うほうが安心です。Chrome右上のプロフィールアイコンから追加できます。

ふたつめは、どのサイトに使うかです。技術的には他社のサイトにも使えますが、そこで取り出したルールをそのまま自分の販促物に流用すれば模倣になります。使う対象は自社サイトに限ってください。
FAQ
Q1. 自社サイトがない場合はどうすればよいですか。
A. この拡張機能はWebページのデザイン設定を読み取る仕組みのため、サイトがないと使えません。InstagramなどSNSのプロフィールページを読み取っても、自社のルールではなくSNS側のルールが出てきます。
Q2. 出てきたファイルは、そのまま制作会社に渡してよいですか。
A. 渡して差し支えありません。むしろ、自社サイトから機械的に抽出した値なので、認識合わせの土台として使いやすい内容です。
Q3. 専門用語が多くて読めません。
A. すべてを理解する必要はありません。色コードとフォント名の2つだけ拾えば、資料や画像の統一には足ります。
Q4. 費用はかかりますか。
A. Chrome ウェブストアから無料で入手できます。ソースコードもMITライセンスで公開されています。
Q5. 抽出したデータは外部に送信されますか。
A. 開発者はChrome ウェブストア上で、利用者のデータを収集または使用しないと申告しています。ただし、これは開発者による自己申告です。心配な場合は、前述のとおり業務用と分けたブラウザで使ってください。
まとめ
・ブランドがそろわないのは、センスではなく、決まりごとが言語化されていないからです
・自社サイトには、その決まりごとがすでに数値として存在しています
・取り出せば、外注指示・資料作成・AIへの依頼の3つに使い回せます
まずは自社サイトのトップページで一度試してください。手元に一枚もなかったブランドガイドが、その日のうちにできます。
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