自分の頭の中にある「基準」を、他の人に渡せた経験はありますか。書いてほしいトーン、掲載するかどうかの判断軸——これは言葉にしにくいからこそ、自分の中にずっと留まっていました。プログラミングの知識がなくても、この問題をAIで解決する方法があります。
AI情報メディア「AIのチカラ」の編集作業を例に、Claude Codeで5つのエージェントが連携する編集パイプラインを構築した実録をお伝えします。
頭の中の基準を、言葉にできていなかった
記事を一本出すたびに、同じ作業の流れを繰り返していました。テーマを決めて、書いて、事実を確認して、表記を整えて、掲載するかどうかを判断する。この段取りを毎回、自分の頭の中でこなしていました。
問題はツールでも人でもありませんでした。「何を掲載して何を掲載しないか」という判断軸が、自分の中で言語化されていなかったことが本質でした。言葉にできていないものは、誰にも渡せません。この基準をシステムに宿せないかと考えました。
Claude Codeとは何か
Claude Codeは、Anthropicが提供するエージェント型AIツールです。日本語で「やりたいこと」を伝えるだけで、ファイルを作り、システムを構築してくれます。デスクトップアプリ版(macOS・Windows対応)が提供されており、ターミナルやコマンド操作の知識は不要です。
重要なのは、Claude Codeは「コードを書く道具」ではなく、「自分の仕事の流れをシステムに変える道具」だという点です。非エンジニアにとって、この違いは大きな意味を持ちます。
やったことはシンプルだった
普段、頭の中でやっていた編集の段取りを、そのままテキストで書き出しました。各エージェントの役割を日本語で定義したファイルを用意し、Claude Codeに渡しただけです。完成したのは、以下の5エージェントが順番に連携するパイプラインです。
・N1分析(読者深層心理の分析)
・Writer(記事執筆)
・ファクトチェッカー(事実確認)
・校閲マン(表記・文体チェック)
・副編集長(掲載判定)
テーマを入力すると、読者ペルソナの深層心理から分析し、記事を執筆し、事実確認と表記チェックを経て、最終的に副編集長が掲載判定を出すまでが自動で流れます。コードは一行も書いていません。すべてのファイルはClaude Codeが生成しました。
副編集長の設定に、一番時間をかけた理由
各エージェントの役割定義の中で、最もこだわったのが副編集長でした。こう書きました。
「親切なレビュアーではありません。読者の時間と信頼を守る、最後の砦として機能してください。」
これはAIへの指示ではなく、自分の編集方針を言語化した瞬間でした。副編集長はインサイト深度・構造可読性・独自性の3軸で記事を10点満点採点し、承認・条件付き承認・差し戻しの三択で判定を出します。曖昧な総評は禁止、判定理由のない承認も禁止と明記しています。
AIへの指示文を書くことは、自分の仕事哲学を言語化する作業でもあります。この言語化ができれば、誰と組んで仕事をするときにも、自分の意図を正確に渡せるようになります。
自分のビジネスに置き換えるなら
編集部でなくても、同じ発想が使えます。営業提案のフローを持っている方なら、ヒアリング→提案書作成→リスクチェック→上長承認というエージェント構成が作れます。採用担当なら、求人票作成→スクリーニング基準→面接質問設計という流れをシステム化できます。
大切なのは、自分の頭の中にある「段取り」を言葉にすることです。その言葉がそのままシステムの設計図になります。必要なのはプログラミング知識ではなく、自分の仕事哲学を言語化できる力です。
よくある質問
Q. プログラミングの知識がなくても本当に作れますか?
作れます。筆者もコードを一行も書いていません。Claude Codeのデスクトップアプリを使い、日本語で指示するだけで動きます。
Q. Claude Codeの利用にはどのプランが必要ですか?
Claude.aiのProプランまたはMaxプランで利用できます。連続実行が多いパイプライン用途にはMaxプランが向いています。使用量の上限がProプランより大幅に高く設定されているためです。
Q. 編集以外の業務にも応用できますか?
できます。「複数の工程を順番にこなす」という流れがある業務であれば、同じ考え方でエージェントパイプラインを設計できます。営業・採用・マーケティングなど幅広い業務に応用可能です。
Q. どこから始めればよいですか?
まず自分の仕事の流れを紙に書き出すことをおすすめします。「何を・誰が・どの順番で・何を見て判断するか」を言葉にできれば、それがそのままClaude Codeへの指示になります。
まとめ
・自分の仕事の段取りを言葉にするだけで、AIエージェントの設計図になります。
・Claude Codeはコードを書く道具ではなく、仕事の流れをシステムに変える道具です。
・非エンジニアに必要なのは、プログラミング知識ではなく自分の哲学を言語化する力です。
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