「Claude Codeで、うちの業務に合わせたアプリは作れますか?」
AI-Brainの研修で、この質問をいただくようになりました。結論から言うと、作れます。ただし、覚えるべきなのはプログラミングではありません。制作会社に仕事を頼むときと同じ「発注の段取り」です。
この記事では、プログラミング経験のない方が最初の業務ツールを完成させるまでの流れを、Anthropicの公式ドキュメントに沿って12のステップで紹介します。そのままコピーして使えるプロンプトも載せます。
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あなたの役割は「書く人」ではなく「発注する人」
Claude Codeは、コードを書いて動かすところまで自分で作業を進めます。人の仕事は、何を作るか、何ができたら完成か、どう確かめるかを決めて伝えることです。
公式のベストプラクティスも、最初の項目に、Claudeが自分の作業を検証できる手段を渡すことを挙げています。うまいプロンプトを書くことよりも、確かめる方法を渡すほうが効きます。コードが読めなくても、完成の条件は決められます。
準備と設計:ステップ1〜5
ステップ1:デスクトップアプリのCodeタブを開く
Claudeのデスクトップアプリを起動し、画面上部中央の「Code」タブをクリックします。Claude Codeはアプリに含まれているため、ターミナル(黒い画面)での操作は不要です。利用には有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)が必要です。
最初に「Local」を選び、「Select folder」で作業用のフォルダを指定します。空のフォルダを1つ作っておくと、どこに何ができたのかがわかりやすくなります。

ステップ2:作りたいものを3行で書く
ここで気合いを入れる必要はありません。公式ドキュメントでも、短い説明から始めてClaudeに質問させる進め方が紹介されています。
たとえば「修理の依頼を登録して、担当者と進み具合を一覧で見たい。今はホワイトボードとExcelに二重で書いている。事務所のパソコンから使いたい」くらいで十分です。専門用語はいりません。誰が使って、どの困りごとを解決するのかだけ書きます。
手書きの画面イメージがあれば、写真を撮って貼り付けることもできます。
ステップ3:Claudeに質問させて、仕様書を作る
いちばん大事なステップです。最初から「作って」と頼むと、決めていない部分はAIの判断で埋まります。先にClaudeから質問させて、その答えを仕様書にまとめます。
[作りたいもの]を作りたいです。私はプログラミング経験がありません。
まだコードは書かず、必要なことを1問ずつ質問してください。
専門的な判断が必要なときは、選択肢とそれぞれの利点・欠点を初心者向けに説明してください。
「今回は作らない機能」も一緒に決めてください。
質問が終わったら、内容をSPEC.mdにまとめ、実装はせずに終わってください。「今回は作らない機能」を飛ばさないでください。公式ドキュメントでも、良い仕様には対象外のものを書くべきだとされています。作る範囲が広がるほど、壊れる場所も増えます。

ステップ4:仕様書ができたら、新しいセッションに切り替える
仕様書ができたら「+ New session」で新しいセッションを開き、そこで実装を頼みます。この切り替えは公式ドキュメントでも勧められています。まっさらな状態で実装に集中でき、見返せる仕様書があるためです。
ステップ5:Plan Modeで、計画だけ出させる
送信ボタンの横にあるモードの切り替えで「Plan」を選ぶと、Claudeはファイルを編集せずに進め方を提案します。
出てきた計画で見るのは、次の3点で十分です。
・欲しい機能がすべて入っているか
・頼んでいない機能が紛れていないか
・どこまでできたら完成なのかが書かれているか

わからない言葉が出てきたら「初心者向けに説明して」と聞き返せば大丈夫です。
実装と検証:ステップ6〜9
ステップ6:完成の条件を、先に決める
「画面が表示される」ではなく、「利用者が何をしたら、何が起きるか」で書きます。ここを決めておかないと、ボタンが表示されただけで完成と報告されてしまいます。
実装に入る前に、機能ごとの完成条件を決めてください。
「画面が出る」ではなく「何をしたら何が起きるか」で書いてください。
うまくいく場合と、失敗する場合の両方を書いてください。たとえば保存の機能なら、「入力して保存を押すと一覧に増える」「空欄では保存できない」「再読み込みしてもデータが残っている」まで決めます。

ステップ7:まず最小版だけを作らせる
最初から全部を作らせないでください。いちばん大事な流れが、最初から最後までつながることを先に確かめます。公式ドキュメントも、よく知っている身近な題材から始めることを勧めています。
なお、Pro、Max、Teamの各プランでは、最初のモードはAutoです。別の判定役のモデルが操作を確認し、危険に見えるものだけを止める仕組みです。いまどのモードかは、送信ボタンの横の表示でわかります。一つずつ自分で承認したい場合は「Manual」に切り替えてください。
ステップ8:Claude自身に動かして、証拠を見せてもらう
デスクトップアプリでは、作ったアプリをClaude自身がブラウザーペインで開き、画面を操作して確かめながら直します。この自動確認は最初からオンです。
実装が終わったら、実際にアプリを操作して完成条件を1つずつ確認してください。
見た目だけで判断せず、入力・保存・削除・再読み込みまで実際に行ってください。
結果はOK/NGの一覧にし、NGは再現手順と原因の候補も書いてください。
確認した証拠として、画面のスクリーンショットを見せてください。Anthropicも、成功したと主張させるのではなく、証拠を示すよう指示することを勧めています。証拠を見るほうが、自分で確かめ直すより速く済みます。
ステップ9:別のセッションのClaudeに点検させる
作った本人に採点させると甘くなります。公式ドキュメントでは、新しいセッションのClaudeは書いたばかりのコードに引きずられないため、点検に向いていると説明されています。
別のセッションで点検をお願いします。
実装の経緯は伝えません。仕様書と完成したものだけを見て確認してください。
確認する点は次の4つです。
1 完成条件を本当に満たしているか
2 表示されるだけで動かない機能はないか
3 失敗したときの動きも想定どおりか
4 これまで動いていた機能を壊していないか
好みの問題ではなく、完成条件に関わる問題だけを挙げてください。最後の1行が大事です。Anthropicも、点検役は問題がなくても指摘を出しがちなので、要件に関わるものに絞るよう注意しています。
仕上げと公開:ステップ10〜12
ステップ10:止まったとき、直らないときの対処
進み方がおかしいと思ったら、停止ボタンで止めて、やり直したいことを伝えます。
同じ問題を2回以上直させてもうまくいかない場合は、粘らないでください。公式ドキュメントも、うまくいかない直しが積み重なったセッションを続けるより、わかったことを盛り込んだ指示で新しく始め直すほうが良い結果になると説明しています。
ステップ11:戻せる状態を作っておく
大きな変更を頼む前に、「今の状態をGitでコミットして」と伝えます。これが、いつでも戻れる保存地点になります。
Claude Codeには、送信のたびに作業前を記録する仕組みもあります。ただし公式ドキュメントは、これをGitの代わりにはならないと明記しています。コマンドで消したファイルは戻せないため、保存地点はGitで作るのが確実です。
ステップ12:公開前に点検し、最後は自分で触る
公開や本番利用の前に、「セキュリティの観点で点検して」と頼みます。あわせて、APIキーやパスワードをコードに直接書いていないかも確かめてください。Anthropicも、自動の点検は人によるレビューを置き換えるものではないと明記しています。決済や個人情報を扱うものは、必ず詳しい人の確認を受けてください。

そして最後は、自分で最初から最後まで触ってください。点検が通ったことと、現場で使えることは別です。
2本目から効いてくる2つの仕込み
CLAUDE.mdに、毎回の注意を書いておく
CLAUDE.mdは、Claudeが会話の最初に読むファイルです。「/init」と入力すると下書きを作ってくれます。「実装後は必ず画面で確認する」「頼んでいない機能を足さない」など、毎回言っていることをここに書いておきます。
ただし、長くしすぎないでください。公式ドキュメントは、内容が膨らんだCLAUDE.mdでは大事なルールが埋もれて無視されると警告しています。時々しか使わない手順は、スキルとして分けます。

/goalで、条件を満たすまで続けさせる
「/goal」に続けて完了条件を書くと、各ターンの後に別の判定役のモデルが達成を判定し、満たすまで作業が続きます。判定役はコマンドを実行せず、会話に出てきた内容だけで判断します。「完成条件がすべてOKになる」のように、会話の中で示せる条件を書いてください。途中でやめたいときは「/goal clear」と入力します。
よくある質問
Q. プログラミングの知識はまったく不要ですか?
コードを書く知識がなくても始められます。ただし、業務の流れや完成の条件を言葉にする力は必要になります。
Q. 最初は何を作るのがおすすめですか?
ブラウザで動く社内向けのツールがおすすめです。Claudeが自分で画面を開いて確かめられるため、直しが早く進みます。
Q. スマートフォンのアプリも作れますか?
Mac版には、iPhone用のアプリを試すシミュレータの画面が用意されています(現時点ではベータ)。ただし配信にはAppleの開発者プログラムへの登録が必要になるため、最初の1本はブラウザで動くものをおすすめします。
Q. 個人情報を扱うツールも作れますか?
作れます。ただし、自動の点検は人によるレビューの代わりにはならないため、本番で使う前に詳しい人の確認を受けてください。
まとめ
アプリ作りは、プログラミングではなく発注の仕事です。
・作る前に、Claudeに質問させて仕様書を作ります
・完成の条件を「操作と結果」で決め、最小版から作ります
・Claudeに動かして証拠を見せてもらい、別のセッションでも点検させます
コードを書く工程は1つもありません。まずはCodeタブを開き、ステップ3のプロンプトを貼るところから始めてみてください。
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