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同じ指示でも、ChatGPTとClaudeはここまで違う|中部地質株式会社・全12回AI研修の第4回レポート

筆者/喜多 辰徳

「ChatGPTとClaude、結局どちらを使えばいいのか」――そう感じたまま、なんとなく一つのツールに頼ってしまう方は少なくありません。第1回でガイドラインの土台を固め、第2回で議事録の自動化、第3回で複数AIの使い分けと出力の解像度を高める技術を学んだ中部地質株式会社のAI研修は、第4回でChatGPTとClaude、二つのツールの違いを実務レベルで体感する回へと進みました。

地質調査・地盤コンサルタントとして石川県で実績を持つ同社の役員・社員7名が、同一のプロンプトをChatGPTとClaudeの両方に投げて出力を比較し、長文資料の読み解きから資料をもとにした業務ツールの自作まで体験した第4回(2026年7月29日開催、約100分)の様子をレポートします。


開催概要

・日時:2026年7月29日(水) 16:00〜17:40(約100分)

・主催:中部地質株式会社

・講師:柏野 真吾(株式会社AI-Brain 代表取締役・前半進行)/木元 拓(同 公認パートナー・後半ハンズオン進行)

・テーマ:ChatGPTとClaudeの使い分け

・参加者:中部地質株式会社 生成AI活用選抜メンバー(7名)

・回数:全12回プログラムの第4回

第4回のゴールは、ChatGPTとClaudeを「どちらが優れているか」ではなく「自分の業務のどの工程をどちらに割り振るか」で捉え直すことに置かれました。開始時の挙手確認では、参加者の半数超が「AIを使うのが楽しくなってきた」段階に到達しており、そこからさらに一歩進んで実務に落とし込む回として位置づけられました。


ツールの優劣ではなく、工程の割り振りで考える

まず整理されたのが、ChatGPTとClaudeの得意分野の違いです。日本語の文章生成はどちらも対応できますが、コーディングや戦略設計・事務処理はClaudeが非常に強く、画像生成・動画生成はChatGPTのみが対応できるという住み分けが示されました。

この違いを体感させたのが、AI-Brain自社のキャラクター制作とCM動画制作の実例です。ビジュアルブック全体の設計図はClaudeに作らせ、その設計図をもとにした画像生成はChatGPTに任せるという役割分担が紹介されました。CM動画の制作でも、台本・キャラクター設計・動画生成・ナレーションと、工程ごとにまったく別のツールが使われている実態が共有されています。

どちらが優れているかではなく、自分の業務のどの工程をどちらに割り振るかを考えられるようになると仕事が進む――この整理が、第4回全体を貫くメッセージになりました。

モデルの使い分けとOpus世代のプロンプト作法

Claude内のモデルの使い分けについても解説がありました。Opus 5は深い推論を要する重要・複雑な業務向け、Sonnetは日常業務のタスクに十分対応できる標準モデル、Haikuはツール連携など自動化用途で使う最軽量モデルという位置づけです。基本はSonnetで十分で、重要・複雑な業務にはOpusを使うという整理が共有されました。

あわせて、Opus世代ではプロンプトの作法そのものが変わりつつある点も注意喚起されました。「最後に検証してください」「ダブルチェックしてください」といった指示を加えると、かえって何度も確認を繰り返してクレジットを無駄に消費することがあり、無駄な指示を省くことが重要になっているとのことです。

同じ指示でも出力は変わる――評価軸で比べるハンズオン

比較にあたっては、好き嫌いではなく評価軸で判断することが推奨されました。元の指示を守っているか、文脈を理解しているか、構成力、文章の自然さ、そのまま使える実用性という軸です。

ハンズオンでは、架空企業の業務メモをもとに、取引先へ送る新商品案内メールを同一プロンプトでChatGPTとClaudeの両方に作成させました。ChatGPTはそれなりの文章を1本生成した一方、Claudeは標準版と説明会案内を含む版の2種類を提案し、構成そのものも異なりました。参加者からは「ChatGPTの方が細かく書いてある」という声も挙がりましたが、この差はツール性能だけでなく、ChatGPTを長く使ってきた環境に蓄積された情報量の違いにも起因するという解説が加えられました。Claude側にも同様に情報を与えて育てていく必要がある、という指摘です。

長文資料は「誰が・何のために・何を」を指定して読ませる

次のハンズオンでは、架空企業の営業改善会議の議事録(約8ページ)を読み込ませました。単純に「要約してください」と指示した段階では、ChatGPTとClaudeで整理の仕方に差が出ましたが、「会議に参加していない経営者向けに整理してください」と読み手・目的を指定し、事実と推測を分けること・根拠を示すことを明示した段階では、両者とも実用水準の出力になりました。

長文資料を扱うときのポイントとして、一つ目が誰が読むのかを指定すること、二つ目が何の判断に使うのかを指定すること、三つ目が抽出したい項目を明確にすること、四つ目が事実と推測を分けさせること、五つ目が次のステップまで整理させることの5点が共有されました。判断し決定するのは人間であり、そこに認知能力の限界があるからこそ、図解やグラフでの出力を日頃から指示しておくと、AIの活用効率が上がるという解説も加えられています。

Artifactsは「調べる」ではなく「作る」ツール

研修後半では、Claude内で成果物そのもの(業務ツールやアプリ、デザイン)を作れるArtifacts機能が紹介されました。架空企業の就業規則・社内規定をまとめた資料をもとに、社内規定を検索・整理して確認できる業務ツールをその場で作成し、「子どもが発熱したので午後から在宅勤務に変更できるか」といった質問に、根拠となる条文つきで回答する様子が実演されています。

資料を根拠に調べて理解するNotebookLMに対し、Artifactsは資料をもとに操作できるツールそのものを作る点が違いとして整理されました。ただし最終判断はAIに任せず必ず人が行うこと、規程にない内容は断定しないことなど、運用上の注意点もあわせて共有されています。

目的だけ渡して壁打ちで育てる

長文プロンプトを最初から書いて一発で仕上げるのは、ゴールイメージが固まっていない段階では難しいものです。そこで参加者全員が、先ほどの長文プロンプトの冒頭部分、つまりツールの目的だけを渡して試しました。Claudeは目的だけでも形にし始め、以降はチャット上でのやりとりを重ねながら仕上げていく進め方が体感されています。

続くハンズオンでは、架空企業の中間報告資料をもとに、上司へ提出する1ページ報告書の作成に取り組みました。結論・現状・重要な問題・原因・推奨する対応という構成をあらかじめ指示したところ、ChatGPTとClaudeの出力差は縮まり、残る違いは見やすさ程度になりました。あわせて、見積もりのブレを防ぐ見積書作成ツールや、現場での聞き漏らしを防ぐヒアリングアプリなど、既製システムに頼らず自社の業務に合わせて作られた応用事例も紹介され、反復業務ほどAIによるツール化の効果が大きいことが共有されました。


アンケート結果と次回への展望

研修後のアンケートでは、総合満足度で最高評価が多数を占めました。今回最も多く挙がったAI活用の障壁は「業務に組み込むための具体的な方法が分からない」で、これまでの回で多かった「ハルシネーションへの対応」を上回りました。実務書類を題材にした今回のハンズオンは、まさにこの障壁に直接応える内容だったといえます。もっとも重要だと感じるテーマでも「活用のコツと注意点」が最多となり、参加者の関心と研修内容が合致していたことがうかがえます。

次回(第5回)は2026年8月24日(月)16:00〜の開催が予定されています。今回時間内に検証しきれなかった「ChatGPTで社内規定確認ツールを作った場合どうなるか」の結果も、次回あわせて紹介される予定です。専門業種で組織的にAI活用を推進する事例はまだ多くありません。今取り組むことが、業務効率化だけでなく採用ブランディングや競争優位にもつながります。次回以降のレポートも順次お届けしていきます。


AI活用を社内でどう進めるべきか迷っていませんか? AI-Brainでは中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。ChatGPTとClaudeの使い分けや、Artifactsを使った業務ツールの自作についてもご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。

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