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2026/09/25

AIで作ったものを捨てる基準。利益が出るかコストが減るか

筆者/喜多 辰徳

ChatGPTやClaudeで、便利そうな仕組みを作ったことはありませんか。メールの下書きを出すプロンプトや、毎朝の情報収集をまとめる設定、月末の集計用の表などです。作った直後は満足するのに、気づけば何か月も開いていません。筆者も同じでした。

2026年9月に、自分がClaude Codeに登録した自作の仕組み33個を、直近90日の起動記録から数え直したところ、6個は一度も動いていませんでした。この記事では、その実測の数字と、作ったものが使われなくなる理由、そして作る前と作った後に当てはめる判断基準をまとめます。

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33個のうち6個は3か月動かなかった

筆者が使っているClaude Codeには、決まった作業の手順を登録しておき、名前を呼ぶだけで実行させる「スキル」という仕組みがあります。ChatGPTでいえば、自分用に設定したGPTsやプロジェクトに近いものです。

2026年9月22日に、直近90日の記録を数えた結果は次のとおりでした。

・登録していたスキルは33個

・90日間の起動回数は合計796回

・上位3個だけで全体の76%を占め、1位のスキルだけで54%

・90日間で一度も起動しなかったものが7個。うち1個は裏で自動的に動く仕組みなので、実質6個が使われていませんでした

8月にも同じ方法で数えていて、そのときは上位3個で61%、ゼロ起動が8個でした。1か月で、使うものはさらに使い、使わないものは使わないまま、という偏りが進んだことになります。

数えてみて分かったのは、33個を運用しきれていないのではなく、実際に仕事を回しているのは片手で足りる数だった、ということです。問題は数ではなく、動いていないものが放置されている点にありました。


作ったのに使われなくなる3つの理由

ゼロ起動の6個を一つずつ見ていくと、理由は3つに分かれました。

似た役割のものを複数作っていた

アクセス解析を見るスキルが3個、SNS向けの文章を作るスキルが3個、というように、目的が重なるものを別々に作っていました。どれを呼べばいいか自分でも迷い、結局いちばん使い慣れた1個だけを使い続けます。ほかは呼ばれないまま残ります。ゼロ起動の6個のうち4個は、役割が重なる別のスキルを持っていました。

元にした情報が古くなっていた

X(旧Twitter)の投稿を分析するスキルは、参照している表示の仕組みの説明が2023年に公開されたもので、今の動きと合わなくなっていました。中身が古いと分かった時点で、使う気がなくなります。

作ったことで満足していた

これがいちばん根深い理由です。動くものが形になると、仕事が進んだ気持ちになります。ところが、それを呼び出す場面が実際の仕事の中に来ません。作る時点で「どの作業の、どの場面で使うか」を決めていなかったものは、ほぼ例外なく止まっていました。


作る前に確かめる基準は2つ

同じ失敗を繰り返さないために、筆者は新しく作る前に2つの問いを立てるようにしました。

・利益が出るか。売上、受注、問い合わせのどれかに直接つながるか

・コストが減るか。自分の作業時間、外注費、やり直しのどれかが目に見えて減るか

どちらにも「はい」と答えられないものは作りません。「面白そう」「できそう」は、作る理由になりません。

確かめ方は難しくありません。作ろうとしている仕組みについて、次の3行を紙に書きます。

・どの作業を置き換えるのか

・その作業は週に何回あり、1回あたりどれくらい時間がかかっているのか

・置き換えたあと、浮いた時間や費用を何に回すのか

3行目が書けないものは、置き換えても得がありません。2行目が書けないものは、そもそも頻度が低く、作る手間のほうが大きくなります。


作ったあとは90日ごとに棚卸しする

基準を通して作ったものでも、使われなくなることはあります。そのため、作った後の見直しも決めておきます。筆者は90日を区切りにしています。手順は次のとおりです。

・作ったものを一覧にする

・それぞれ、直近90日で何回使ったかを数える。記録が残らない道具なら、「先月使ったか」を思い出すだけで十分です

・ゼロだったものを、「不要」「呼び出す場面が分からなかった」「他のものと重なっていた」の3つに分ける

・「不要」は削除し、残り2つは説明や役割を直してから、次の90日でもう一度数える

大事なのは、ゼロだからといってすぐ消さないことです。筆者のゼロ起動6個も、4個は役割が重なっていて呼ばれなかったものでした。説明を直せば使われるようになる可能性があるので、直してから再測定し、それでもゼロなら消す、という順番にしています。


よくある質問

Q. 記録が残らないツールでは、使った回数をどう数えればいいですか

A. 正確に数える必要はありません。一覧を見ながら「先月使ったか」を思い出し、思い出せないものはゼロと同じ扱いにします。迷うようなら、それ自体が使われていない証拠です。

Q. せっかく作ったものを消すのは、もったいなくないですか

A. 消すのは「不要」と分かったものだけです。役割が重なっているものや、呼び出す場面が曖昧だったものは、まず説明を直して次の90日で再測定します。それでもゼロなら、持ち続けるほうが迷いの元になります。

Q. 利益にもコスト削減にも直結しませんが、勉強のために作りたい場合はどうすればいいですか

A. 勉強と割り切るなら構いません。ただし、仕事用の一覧には入れず、別に分けておきます。仕事用に混ぜると、呼ぶときの迷いが増えて、本当に使うものまで使いにくくなります。

Q. 上位3個に集中しているなら、残りは全部消していいのではないですか

A. 集中は自然なことで、悪い状態ではありません。消すかどうかは起動回数ではなく、上で挙げた3つの理由のどれに当たるかで決めます。月に1回しか呼ばれなくても、その1回で受注につながっているものは残します。


まとめ

・筆者の自作スキル33個のうち、90日で一度も動かなかったものは6個で、実際の仕事は上位3個が76%を回していました

・作る前は「利益が出るか、コストが減るか」の2つで判断し、どちらも当てはまらないものは作りません

・作った後は90日ごとに数え、ゼロのものは理由で分けてから、直すか消すかを決めます

まずは今日、自分が作ったAIの仕組みを一覧にして、先月使ったかどうかを横に書いてみてください。

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