「資料なんて、AIに任せれば一瞬でしょう」。
そう思って「いい感じのセミナー資料を作って」とお願いしたのに、出てきたものを見て手が止まった経験はないでしょうか。1枚目はそれっぽいのに、10枚通すと色味も余白もバラバラ。説明のスライドは中身が薄い。結局、手直しに半日かかってしまう。これでは何のためのAIか分かりません。
一方で、同じAIを使って資料を次々に量産している人もいます。両者を分けているのは、AIの性能でもプロンプトの上手さでもありません。「頼み方の発想」そのものです。この記事では、その決定的な差を、現役で資料を作り続けている立場からお伝えします。
「資料作って」の丸投げは、なぜ崩れるのか
AIに「資料を作って」と一言で頼むと、AIは構成も文章も見た目も図解も配色も、すべてをその場で自由に判断します。1枚だけなら、この自由さが「いい感じ」を生みます。
問題は枚数が増えたときです。2枚目、3枚目と進むたびにAIは毎回ゼロから判断し直すので、配色も余白も図解の型も少しずつズレていきます。10枚を超えるころには、1枚ずつは綺麗なのに通すと統一感のない資料ができあがります。

これはAIが悪いのではありません。「全部おまかせ」という頼み方が、ブレる余地を最大にしているのです。
量産できる人は「工程」を先に決めている
資料を量産できる人がやっているのは、AIに作らせる前に「作る手順」を決めておくことです。ひとまとまりに見える「資料づくり」を、こう分けて考えます。
・原稿を整理する(何を伝えるか)
・1枚ごとの役割を決める(表紙、比較、まとめなど)
・役割に合った見た目の型を割り当てる
・お手本を渡してトーンを揃える
・作ったあとに崩れがないか確認する

ポイントは、AIに「全部やって」と渡さないことです。工程を分けておくと、AIに任せるのは各工程の中だけになります。判断する範囲が狭くなるほど、出力は安定します。私自身、記事や資料を作るときに毎回使っている考え方で、いちばん効くのが「AIの自由度を、あえて下げる」という一手です。
今日からできる「分ける」3つの問い
いきなり完璧な手順表は要りません。次の3つを自分に問うだけで、丸投げから一歩抜けられます。
・この1枚で、何を分かってほしいか(1枚に1つのメッセージへ絞る)
・この資料の山場はどこか(そこだけ図解にする)
・お手本になる過去の資料はどれか(それをAIに見せる)

特に3つ目が強力です。言葉で「いい感じに」と伝えるより、過去に作った気に入っている資料を1枚見せて「このトーンで」と言うほうが、AIははるかに正確に揃えてくれます。
仕組みは「70点で走らせて、直す」
工程を分けると聞くと、立派なマニュアルを用意しなければと身構えるかもしれません。そこは逆です。最初は、よく使うスライドの型を5つだけ決める。作ったあとのNG確認リストを1枚作る。それだけで十分動き出します。

完璧な仕組みを作ろうとして手が止まるのが、いちばんもったいないパターンです。70点で実際に使い、崩れたところだけ直す。この繰り返しが、結果的にいちばん速く「量産できる自分」に近づけてくれます。
FAQ
Q1.プロンプトを工夫すれば、丸投げでもうまくいきませんか
A.1枚なら工夫が効きます。ただ枚数が増えるほど、毎回の判断のブレが積み重なります。プロンプトを磨くより、工程を分けて判断範囲を絞るほうが、通した品質は安定します。
Q2.結局どのAIツールを使えばいいですか
A.最初に決めるのはツールではなく工程です。原稿を整理し、役割を決め、お手本を渡す。この流れができていれば、使うツールが変わっても品質を保てます。
Q3.デザインの知識がなくても作れますか
A.作れます。むしろ毎回新しいデザインを考えないことがコツです。役割ごとに決まった型を割り当てる発想にすれば、センスではなく手順で品質が決まります。
Q4.画像で生成すると、頼んでいない文字が入ることがあります
A.画像として生成するAIは、指示にない飾り文字やラベルを足すことがあります。だからこそ、作ったあとに「指定した文字以外が入っていないか」を確認する工程を必ず入れてください。
まとめ
AIで資料を量産できるかどうかを分けるのは、AIの性能ではなく頼み方の発想です。今日のポイントは3つです。
・「資料作って」の丸投げは、枚数が増えるほど崩れていく
・量産できる人は、作る前に工程を分けてAIの判断範囲を絞っている
・仕組みは70点で走らせて、崩れたところだけ直していく
まずは次に作る資料で、「この1枚で何を伝えるか」を決めてからAIに渡してみてください。それが、丸投げから抜け出す最初の一歩です。
▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら
AI活用について、社内でどう進めるべきか迷っていませんか?
AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。
まずはお気軽にご相談ください。
AI活用を一緒に考える(無料30分)
人気の記事
記事を読む
TOPICS
2026/06/13
「検索はオワコン」は本当か?AI時代に選ばれる個人店の条件
筆者/喜多 辰徳
#AI検索
記事を読む
TOPICS
2026/06/20
会社のURLを貼るだけ。AIに自社の活用法を提案させるプロンプト
筆者/喜多 辰徳
#ChatGPT
#プロンプト
#業務の棚卸し
#活用例
記事を読む
TOPICS
2026/05/23
AIにSNSコンサルをやらせてみたら、戦略が数分で出てきた
筆者/喜多 辰徳
#ChatGPT
#プロンプト
#SNS
記事を読む
TOPICS
2026/06/16
AI検索時代にChatGPTで自店のネット露出を点検する方法
筆者/喜多 辰徳
#AI検索
#ChatGPT
#プロンプト