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機械工具商社20名が生成AIと向き合った2時間|富山県機械工具商業会 勉強会レポート

筆者/喜多 辰徳

2026年4月23日(木)、富山県機械工具商業会の主催により、生成AI活用と地域経済発展に関する勉強会を実施しました。富山県民会館 会議室に経営者・幹部約20名が集まり、約2時間10分にわたって生成AIの基礎から営業現場での実践までを学びました。

講師は株式会社AI-Brain 代表取締役の柏野真吾と、公認パートナー・株式会社UPDATE 代表の木元拓が務めました。


開催概要

・日時:2026年4月23日(木)16:33〜(約2時間10分)

・場所:富山県民会館 会議室

・主催:富山県機械工具商業会(山崎会長)

・参加者:約20名(経営者・幹部)

・登壇者:柏野 真吾(株式会社AI-Brain 代表取締役)/木元 拓(株式会社AI-Brain 公認パートナー・株式会社UPDATE 代表)


柏野パート:ツール動向から組織導入のリスクまで

冒頭、柏野は会計事務所として「AIの進化で仕事の価値がなくなるのでは」という危機感から生成AI研究を始めた経緯と、東京と北陸の情報格差をなくすためにAI-Brainを設立した想いを共有しました。

主要ツール5種の動向

ChatGPT・Claude・Gemini・Grok・Llamaの特徴を整理しつつ、2026年1〜2月にかけてBtoB企業向けシェアでAnthropicのClaudeが急成長していることに触れました。背景にあるのは、ClaudeがExcelやPowerPointなど業務アプリと直接連携できる「エージェント機能」を実装した点です。

生成AIの3層構造

参加者の理解を助けるために提示されたのが「AIツール(UI)/基盤モデル(LLM)/学習データ」の3層構造です。基盤モデルの知能はIQに換算すると130以上(ハーバード・MIT合格レベル)。ただし「AIは頭が良いが、私たちの会社のことを知らない」ため、コンテキスト(前提条件)を丁寧に渡すほどアウトプットの質が上がる、という重要な特性が共有されました。

シャドーAIのリスク

経営者層が最も関心を示したのが、シャドーAIの話題です。会社が認可していないAIツールに、社員が個人で機密情報を入力してしまうリスク。柏野は3つの対策を提示しました。

・有料版で「学習させない」設定をONにする

・機密情報・個人情報をクラウドに入力しないルールを徹底する

・社内AIガイドラインで使ってよい範囲を明確化する

実務活用デモ

Genspark・GoogleスライドのGeminiアシスト・Gmailの返信生成・Nottaによる議事録自動化などのデモを実演。具体例として、25人の組織でメール返信を1日10通×4分削減すると、月間約2,000分(約33時間)の削減効果が出るという試算が紹介されました。

最後にハルシネーション(AIの誤回答)対策として、複数ツールでのファクトチェック、「わからない場合はわからないと答えてください」とプロンプトに明記する、NotebookLMのようなソース限定型ツールを使う、といった実用的な手段が共有されました。


木元パート:営業現場で使うGensparkとNotebookLM

続いて登壇した木元は、保険代理店と不動産業を1人で営む立場から「業務過多をAIでどう解決したか」を実体験で語りました。

Genspark:営業前リサーチを15〜20分で

デモのテーマは、架空の「北陸切削サプライ株式会社」への初回営業準備でした。「営業前リサーチ→訪問仮説立て→現場課題5点抽出→自社提案の切り口整理→初回訪問フロー作成」を一括でプロンプト投入。北陸製造業の人手不足・DX状況といった業界動向まで自動収集し、15〜20分でプレゼン資料のたたき台が完成しました

複数のAIモデルが相互にファクトチェックする仕組みのためハルシネーションが起きにくく、出典元URLが明示される点も信頼性につながります。

NotebookLM:自社情報に閉じたQAボット

NotebookLMは、渡したソースの範囲内だけで回答するRAGツールです。過去の営業訪問報告書を投入し「次回訪問の注意点は?」と質問すると、前回の課題を踏まえた具体的な提案戦略を即座に提示します。新入社員マニュアル・就業規則・経費申請規定をソース化すれば、新人向けQAボットや研修スライドの自動生成も可能です。

AI活用の進め方

木元が繰り返し強調したのは「スモールスタート」。1業務に絞って試し、うまくいった・いかなかったを記録して改善サイクルを回すこと。そして最終判断は必ず人間が行うこと。プロンプトに迷ったら「こういうことをしたい。どんなプロンプトを作ればいい?」とAI自身に聞いて、出てきたプロンプトをそのまま使う方法も実演しました。


質疑応答(抜粋)

Q. AIで作ったプレゼン資料が、顧客の課題解決につながらない内容になってしまう。どうすれば精度が上がるか。

A. プロンプトの書き方より「誰に向けて/何のために/ゴールは何か」というコンテキストの整理が最重要です。前提条件を明確に渡すだけで精度は大きく変わります。

Q. 入力した情報はどのタイミングで学習データに使われるのか。

A. 無料版はデフォルトで学習に使われる設定です。有料版で「学習させない」をONにし、機密情報はクラウドに入れない組織ルールを徹底することが必須です。

Q. 使ったことがないが、何から始めればよいか。

A. メール返信と議事録作成の2つが即効性が高くおすすめです。GmailやOutlookに組み込まれているAIアシスタント、Nottaによる文字起こし+AI議事録の流れが王道です。


参加者の声

セミナーアンケート(回答16名)のうち、「大変満足」5名・「満足」10名・「普通」1名と、9割以上が満足以上の評価でした。多くの参加者が「AI研修、社内活用・導入プラン」に関心を示し、3社が無料相談を希望されました。

・「大変勉強になりました。自分でも一度使ってみます」

・「内容が濃く、情報収集に役立ちました」

・「大変勉強になる講演を誠にありがとうございました」


まとめ:機械工具商社が「次に踏み出す一手」

機械工具商社の業務には、見積依頼への対応、過去案件の引き当て、技術資料の検索、客先への提案書作成など、情報を扱う仕事が日々大量に発生します。これらはまさに、AIが最も得意とする領域です。

ただし、機密性の高い顧客情報や仕入価格を扱う業界だからこそ、シャドーAIのリスクは他業種以上に深刻です。今回の勉強会で示されたように、「使う前にルールを整える」ことが、機械工具商社のAI活用における最初の一手になります。


AI-Brainでは、社内勉強会の実施から業務棚卸、ガイドライン策定、ツール選定、プロンプト設計まで一貫してサポートしています。「便利そう」で終わらせず、自社の業務フローに合った使える型をつくるところまでを伴走します。まずは30分の無料相談からお気軽にどうぞ。

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