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2026/08/04

世界的ブランドが2026年6月に選んだ、SEOの次の一手

筆者/喜多 辰徳

お客さまから「AIに聞いたら出てきたので来ました」と言われたことはありませんか。嬉しい一方で、自分は何もしていないのに出てきたということは、明日には出なくなるかもしれないという意味でもあります。

2026年6月、世界的なラグジュアリーブランドがこの変化に対して具体的な手を打ちました。やったことは驚くほど地味で、しかも個人店に翻訳できる形をしています。この記事では、その中身と、今日からできる3つの作業をお伝えします。

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大手ブランドが投資したのは「ニュースレター」だった

業界メディアのFashionNetworkが2026年7月1日に報じたところによると、ケリング傘下のバレンシアガが、ニュースレター配信プラットフォームであるSubstackの公式スポンサーシッププログラムに参加しました。ファッション業界では最初の企業になります。

派手な広告でも、新しいアプリでもありません。文章を配信する場所への投資です。

同社は2025年7月にすでにアカウントを開設していて、今回それを正式な提携へ格上げしました。同じプログラムにはUberやT-Mobileなども名を連ねていて、この動きが特定業界に閉じていないことが分かります。


なぜ自社サイトとSNSだけでは足りないのか

AIは「第三者が書いたこと」を信用する

生成AIは、最初の学習データに加えて、その場でインターネットを検索して答えを組み立てます。このときAIが重く扱うのは、企業が自分で自分を褒めた文章ではありません。独立した第三者の媒体に載り、検証を経た文章です。

同じ記事は、この提携の狙いを、ニュースレターの中に精緻な意味的参照を埋め込み、AIが依拠する信頼済みの情報源に直接入り込むことだと説明しています。

閉じたアプリの中の画像は読まれない

もう1つの理由がここです。写真だけを、閉じたアプリの中に置いている限り、AIはその内容を十分に読み取れません。

個人店にとっては耳の痛い話です。Instagramに600枚の写真を積み上げても、それはAIから見ると、ほとんど手がかりのない場所に置かれた資産だからです。


SEOは捨てられたわけではありません

ここが一番の誤解です。この件を紹介する投稿の中には、SEOを捨ててGEOに全部賭けた、という書き方をしているものがあります。これは正確ではありません。

FashionNetworkの原文は、従来のSEO戦略を補完する、あるいは凌駕する動きだと書いています。捨てたとは書かれていません。

つまり、これまで積み上げてきたホームページの整備や検索対策が無駄になったのではありません。行き先が1つ増えたのです。ここを取り違えると、続けるべきことをやめてしまいます。


個人店サイズに翻訳すると何をすればいいか

大手がやったことの本質は、自社の外側に、AIが読める文章を置いたことです。これは規模を落としても成立します。

今日からできる3つの作業

・自分の店を生成AIに質問してみます。何と説明されるか、そもそも出てくるかを確認します。ここが現在地です

・写真に添える文章を増やします。素材、作り方、いつ食べるものか、誰に向くのかを、文章として書きます。写真の説明ではなく、独立して読める情報にします

・第三者に書いてもらえる機会を作ります。地域のメディアの取材、業界の紹介記事、他店との共同企画など、自分以外の署名で自店が語られる場所を1つ増やします

3つ目が最も効き、そして最も時間がかかります。だからこそ、今日始める価値があります。


よくある質問

Q. GEOとは何の略ですか

A. 生成エンジン最適化のことです。ChatGPTなどの生成AIが答えを作るときに、自社の情報が引用されやすい状態を作る取り組みを指します。

Q. これまでのSEO対策はやめるべきですか

A. やめる必要はありません。今回の報道でも、従来のSEOを補完する動きだと説明されています。基礎的なホームページ整備は引き続き有効です。

Q. ニュースレターを始めないといけませんか

A. 必須ではありません。大事なのは配信手段ではなく、AIが読める文章が自社の外側にあることです。地域メディアへの掲載でも同じ効果が狙えます。

Q. 効果はいつ出ますか

A. 現時点で信頼できる期間の目安は公表されていません。数字を約束する情報には注意してください。

Q. 個人店でも意味がありますか

A. あります。検索対象が地域名と業種で絞られる場合、競合の母数が少ないため、大手より早く結果が見えることもあります。


まとめ

要点は3つです。世界的ブランドが2026年6月に選んだのは、外部の媒体に文章を置くという地味な一手でした。理由は、AIが第三者に検証された文章を信用するからです。そしてSEOは終わっていません。行き先が1つ増えただけです。まずは自分の店を生成AIに質問して、現在地を確かめるところから始めてください。

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