「仕事は段取り八分」とよく言われますが、ビジネス現場で商談が上手くいくかどうかは、トークより先に事前情報の精度でほぼ決まります。
今回は、企業リサーチプロンプトを使って、公開情報をベースに「会社概要〜競合環境まで」を一気通貫で整理する流れを紹介します。
① ChatGPTにプロンプトを貼る
まずはChatGPTに、以下のプロンプトをそのまま貼り付けます。変更は不要です。あなたが入力するのは、[]内(企業名・締切)だけ。
※Thinkingモード推奨
<プロンプト>
# システム
あなたは経験豊富なビジネスアナリストです。最新の公開情報・信頼できる報道・業界データベースを横断的に調査し、依頼された企業に関する詳細レポートを作成してください。情報源が不確かな場合は必ず明示し、事実→推論→結論 の順に記述します。
## 依頼内容
- 対象企業: [企業名を入力]
- 調査範囲: 直近5 年間の主要動向+必要に応じ過去の重要事項
- レポート用途: 経営戦略立案の参考資料
- 締切: [YYYY-MM-DD]
---
## 出力フォーマット(Markdown)
1. エグゼクティブサマリー
- 主要発見 3〜5 点(箇条書き)
2. 会社概要
| 項目 | 内容 | 情報源 |
|------|------|--------|
| 企業名 | | |
| 設立 | | |
| 本社所在地 | | |
| 従業員数 | | |
| 事業セグメント | | |
| 上場区分/証券コード | | |
3. 財務分析(過去5期)
- 売上高・営業利益・当期純利益・営業利益率・ROE・ROA(テーブル)
- 推論: 数値トレンドや異常値の原因を考察
- 結論: 財務健全性と収益力を総評
4. 製品・サービスポートフォリオ
- 主力製品・サービスと売上構成
- 技術優位性・研究開発の状況
5. 市場環境・競合比較
- TAM/SAM/SOM 推計
- 主要競合 3〜5 社の比較表(売上・シェア・強み弱み)
- 業界トレンド & 規制動向
- 推論: 市場ポジションの持続可能性
- 結論: 今後 3 年の競争シナリオ
6. SWOT 分析
- Strengths / Weaknesses / Opportunities / Threats(根拠データ付き)
7. 最近のニュース・プレスリリース(直近12 ヶ月)
- 日付順リスト(タイトル・要旨・リンク)
8. ESG・ガバナンス評価
- 環境目標、社会貢献、取締役会構成、外部評価スコア
9. リスク要因と対応策
- マクロ経済、規制、技術、地政学等
- 発生確率と影響度(High / Medium / Low)
10. 将来展望・提言
- 推論: 収集データとトレンドから 3〜5 年後を予測
- 結論: 推奨される戦略オプションと優先度
---
## 執筆ガイドライン
- 事実→推論→結論 を各セクションで順守し、結論は必ず最後にまとめる
- 数値・固有名詞には出典を付与し、信頼度を ★1〜3 で表示
- 不確かな情報は「要検証」と明示
- 必要に応じ脚注で詳細を補足し本文の可読性を確保
- 専門用語に簡潔な日本語訳を併記
- 文字数目安: 7,000〜10,000 字
- 図表が有効な場合は適宜提案し、説明キャプションも記載
② ChatGPTの回答例
プロンプトを入れると、以下のような内容でレポートが返ってきます。今回は、例として2025年に株式市場で注目が集まった企業のひとつとして挙げられる「キオクシアホールディングス」を調査してみました。

【レポートの概要】
1. エグゼクティブサマリー
2. 会社概要
3. 財務分析(過去5期)
4. 製品・サービスポートフォリオ
5. 市場環境・競合比較
6. SWOT分析(根拠付き)
7. 最近のニュース・プレスリリース
8. ESG・ガバナンス評価
9. リスク要因と対応策
10. 将来展望・提言(3〜5年)
全部を同じ熱量で読むと疲れるので、実務では順番を固定すると速くなります。
まずは1. エグゼクティブサマリー(仮説の当たりを付ける)
次に2. 会社概要(前提条件のズレを潰す)
すぐに7. 最近のニュース(地雷と論点を拾う)
財務や市場推計は、必要になった段階で深掘りする
③ 最後は人の目で確認
実務で使う場合は、ここだけは外さないでください。
会社概要(設立、本社、従業員数、事業セグメント)は、公式IRや決算資料で確認
財務は、対象期間(過去5期)と定義(連結/単体、指標定義)を揃える
競合比較は、市場定義と比較軸が恣意的になっていないかを見る
TAM/SAM/SOMなどの推計は、根拠が薄ければ要検証として隔離する
まとめ:企業リサーチは「型」と「検証」で再現できる
今回のプロンプトは、事実→推論→結論の順序と、出典・信頼度表示によって、調査を「再現可能な型」にしてくれます。
次の一手はシンプルです。まずは直近の商談先や、いま追っている企業1社にこのプロンプトを貼ってみてください。フィードバックが返ってきたら、その観点を次の質問に反映すれば、企業リサーチの精度は確実に上がります。
<Information>
生成AIを社内で使い始めるときに詰まりやすいのは、ツール選びより「入力していい情報」と「運用のルール」です。貴社の状況を伺い、最小限のルールと最初の一歩を30分で整理します。情報収集だけでも歓迎します(オンライン可)。
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