ChatGPTの新しいエージェント「dots」に仕事を頼んだのに、気づけば「止まっていませんか」「続きをお願いします」とこちらから声をかけている、という場面はありませんか。
dotsは会話を閉じた後も仕事を続けるAIです。ただ、どこまで自分で進めてよいのか、何をもって終わりなのかを伝えずに頼むと、確認待ちで止まったり、途中の一区切りを「完了」と報告したりします。任せたはずの仕事を、人が追いかける形になってしまいます。
OpenAIの公式ヘルプをもとに、dotsに仕事を渡す前に決めておきたい「任せる範囲」と「完了の条件」を、地域の会社や個人店の仕事に置き換えてまとめました。最後に、そのままチャットに貼れる依頼文も載せています。
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dotsは「会話を閉じても仕事を続ける担当者」
dotsは、OpenAIが2026年9月29日(米国時間)の開発者向けイベント「DevDay 2026」で発表した、ChatGPTの中で動き続けるエージェントです。GPT-6 Astraで動き、専用のクラウド上のパソコンとブラウザを持っています。そのため、自分のパソコンを閉じている間も作業を進められます。
普段のChatGPTとの違いは、一度きりの回答ではなく、続く仕事を受け持つ点にあります。目標と必要な情報を渡すと、進み具合を追い、次の手を考え、判断が必要なところで人に戻してきます。
日本で使えるのは、Proプランの18歳以上の利用者と、Business Premiumの利用者です。Enterpriseはベータ版で、管理者が有効にした場合に使えます。提供は順番に広がっているため、契約していてもすぐに表示されないことがあります。

先に決めておく3つのこと
最初に決めたいのは次の3つです。
・どこで作業してもらうか
・どこまで確認なしで進めてよいか
・何が終われば「完了」か
どこで作業してもらうかを決める
dotsには、最初から専用のクラウドのパソコンがあります。自分のパソコンへのアクセスは任意で、初期状態はオフです。社内の資料やパソコンに保存したファイルを使ってほしい場合は、自分で許可する必要があります。
許可の手順は、使いたいパソコンのChatGPTデスクトップアプリで行います。dotsのプロフィールを開き、「Computers」の中の「Your computer」で「Allow access」を選び、確認画面でもう一度「Allow access」を選びます。作業中は、そのパソコンをオンラインにしてChatGPTアプリを開いておく必要があります。
注意したいのはログインです。dotsのクラウドブラウザは独自のログイン状態を持っていて、自分のパソコンでログインしていても、dotsはログインした状態になりません。社内システムや取引先のサイトを使う仕事なら、最初にdots側でのログインが必要になると考えておきます。
接続したら、「つながりました」という返事で済ませず、対象のフォルダの資料を実際に読めたかを報告してもらいます。
任せる範囲は4つの段階で仕分ける
dotsには、操作の種類ごとに扱いを決める「カスタムルール」があります。スマートフォンのアプリでは、dotsのプロフィールの「Customize」から「Custom rules」を開いて設定します。選べる扱いは次の4つです。
・確認せずに実行する(Take action without asking)
・事前に頼まれていれば実行する(Take action if pre-approved)
・実行する前に確認する(Ask before taking action)
・人に引き渡す(Hand off to you)
「事前に頼まれていれば」とは、依頼文の中ではっきりその操作を頼んだ場合を指します。
会社の仕事に当てはめた仕分けの例
事務や営業の仕事なら、たとえば次のように分けられます。
・確認なしでよい:資料集め、調べもの、社内向けの下書き作成
・頼んだときだけ:決まった社内チャンネルへの報告の投稿
・実行前に確認:お客さんへのメール送信、備品の購入、予定の登録
・人がやる:支払い、パスワードの変更、契約の承諾
公式ヘルプには、下書きを頼んでも送信の許可にはならない、と書かれています。メールの返信を任せたいなら、「下書きを作って見せる」のか「送るところまで」なのかを、依頼文で分けて伝えます。
ルールでも外せない安全の仕組みがある
カスタムルールは、組み込みの安全の仕組みを外すものではありません。パスワードの変更など、人が自分で行う必要がある操作も残ります。ルールを決めても、アプリやパソコンへのアクセス権が増えるわけでもありません。
最初から細かくルールを作り込む必要はありません。まずは依頼文の中で範囲を伝え、止まる場面を見ながらルールに置き換えていくほうが、無理なく進められます。

止まったときの報告の形を決めておく
dotsが止まるのは、故障とは限りません。公式ヘルプでは、止まった仕事を確かめるときの確認先として、次のようなものが挙げられています。
・人の判断や承認を待っている
・ログインや本人確認を待っている
・アプリとの接続が切れている
・dots自体が一時停止になっている
困るのは、止まっていること自体より、何を待っているのか分からないことです。分からないままだと、こちらから「進んでいますか」と聞きに行くことになります。
そこで、止まるときは「どの仕事か」「なぜ止まったか」「自分は何をすればよいか」を一度にまとめて伝えてもらうよう、最初に頼んでおきます。
仕事ごとに分けて頼む
dotsは、仕事ごとに別のタスクを作って進めます。公式ヘルプによると、それぞれのタスクは独立した会話を持ち、dotsとのすべての会話が自動で引き継がれるわけではありません。
いくつかの仕事を同時に頼むときは、仕事ごとに目的、使う資料、任せる範囲を書いて渡します。報告の冒頭に仕事の名前を入れてもらうと、複数の報告が混ざっても追いやすくなります。
「完了」の意味を先に決めておく
dotsが「終わりました」と言っても、自分が欲しい結果まで届いているとは限りません。資料を作った、担当のタスクに指示を送った、確認作業を一度通したといった報告は、どれも途中の一区切りです。
取引先向けの見積書なら、「下書きを作る」「金額を前回分と照らし合わせる」「共有フォルダに保存する」まで終わって完了、と決めておきます。完了の報告には、できたもの、確かめた結果、残っていること、こちらの判断が必要なことを入れてもらいます。
定期の仕事は「保存」と「実行」を別に確かめる
毎朝の予定確認のような繰り返しの仕事も頼めます。時刻を決めて頼むときは、タイムゾーンと、いつまで続けるかも伝え、保存した内容を確認してもらいます。
公式ヘルプには、完了と表示された実行でも結果を確認するように、と書かれています。予定を保存できたことと、予定どおりに動いたことは別です。最初の数回は、結果まで目で確かめておくと安心です。
そのまま使える依頼文
ここまでの内容を、最初に渡す依頼文にまとめました。〔 〕の部分を自分の仕事に置き換えて、dotsのチャットに送ってください。
これから〔仕事の名前〕をお願いします。
目的:〔何のための仕事か〕
使う資料:〔フォルダやファイルの場所〕
進めてよい範囲:
・資料の確認、調べもの、下書きの作成までは確認なしで進めてください。
・社外への送信、購入、予定の登録、公開は、実行する前に確認してください。
・支払い、パスワードの変更、契約の承諾は私が行います。
止まるときは、次の4点を一度にまとめて報告してください。
・どの仕事か
・止まった理由
・確認できたことと、まだ確認できていないこと
・私がやること
完了の条件:〔例:下書きを作り、前回分と照らし合わせ、共有フォルダに保存するまで〕
完了の報告には、できたもの、確かめた結果、残っていること、私の判断が必要なことを書いてください。よくある質問
Q. dotsは無料プランでも使えますか?
A. 使えません。日本で使えるのは、Proプランの18歳以上の利用者とBusiness Premiumの利用者です。Enterpriseは管理者が有効にした場合にベータ版を使えます。
Q. 自分のパソコンを閉じていても仕事は進みますか?
A. クラウドのパソコンで行う仕事は進みます。自分のパソコンのファイルを使う仕事は、そのパソコンがオンラインで、ChatGPTアプリが開いている必要があります。
Q. 「確認せずに実行する」にしておけば、止まらずに全部進みますか?
A. 進みません。カスタムルールは組み込みの安全の仕組みを外すものではなく、パスワードの変更のように人が行う操作も残ります。ログインや本人確認で止まることもあります。
Q. 止めたいときはどうすればよいですか?
A. dotsのプロフィールのメニューから「Pause」を選ぶと、再開するまで止められます。止めた時点までに済んだ操作は元に戻らないため、送信や購入を任せる前に範囲を決めておきます。
まとめ
dotsは会話を閉じても仕事を続けるエージェントですが、任せ方があいまいだと、人が進み具合を追いかける形になります。最初に決めたいのは、どこで作業するか、どこまで確認なしで進めてよいか、何が終われば完了か、の3つです。まずは続けて任せたい仕事を1つ選び、この記事の依頼文を渡して、止まった場面を見ながら範囲を調整してみてください。
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