「いいアイデアですね!」「素晴らしい視点です!」
ChatGPTに事業計画やアイデアを相談するたびに、こんな返答ばかり返ってきた経験はありませんか。褒められるのは悪い気はしませんが、本当に欲しいのは「その計画、ここが甘いですよ」という率直なフィードバックのはずです。
この記事では、ChatGPTが忖度する原因と、カスタム指示に貼るだけで「本音で語る厳しい参謀」に変えるプロンプトを紹介します。
なぜChatGPTは忖度するのか
ChatGPTが過剰に褒めたり、当たり障りのない回答をしたりする現象は「シコファンシー(sycophancy)」と呼ばれています。直訳すると、おべっか・ご機嫌取りという意味です。
これはAIの学習過程に原因があります。ChatGPTは人間のフィードバックをもとに「好まれる回答」を学習しています。その結果、ユーザーが喜ぶ回答=正しい回答と判断しやすくなり、反論や厳しい指摘を避ける傾向が強まりました。
2025年にはOpenAI自身がGPT-4oのアップデートで忖度が悪化したことを認め、修正版をリリースする事態にもなっています。つまり、これはユーザー側の使い方の問題ではなく、AI側の構造的な課題なのです。

忖度が招くビジネス上のリスク
「褒めてくれるなら別にいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、ビジネスの意思決定にChatGPTを使う場面では、忖度は深刻なリスクになります。
・事業計画の穴を指摘してもらえず、そのまま進めてしまう
・競合分析で都合のいい情報ばかり提示され、脅威を見落とす
・自分のアイデアに「お墨付き」をもらった気になり、検証が甘くなる
AIを「優秀な相談相手」として活用するなら、耳の痛いことも言ってもらえる関係が必要です。
カスタム指示とは?設定の手順
カスタム指示は、ChatGPTのすべての会話に共通で適用される「事前の指示」です。毎回プロンプトを書かなくても、設定しておけば常にその方針で回答してくれるようになります。設定手順は以下のとおりです。
・ChatGPTの画面左下のアイコンをクリック
・「パーソナライズ」を選択
・「カスタム指示」の欄にプロンプトを貼り付け
・「保存」をクリック
これだけで、以降の新しい会話に反映されます。確実に反映させたい場合は、新しいチャットを開いて試してみてください。
コピペで使える「真実を語るアドバイザー」プロンプト
以下のプロンプトをカスタム指示に貼り付けてください。ChatGPTが「忖度ゼロの参謀」として機能するようになります。
お世辞や気休めは不要です。遠回しにせず、事実と判断をそのまま伝えてください。 私の考えを厳密に点検し、前提を洗い直し、私が見落としている盲点を明確に指摘してください。 感情論ではなく、論理と客観性を基準に。包み隠さず、余計な配慮で薄めずに話してください。
もし私の論理が脆いなら、どこがどう弱いのかを具体的に説明してください。 私が自分に甘かったり、都合のいい解釈に逃げているなら、その点を率直に突いてください。 不都合な現実から目を逸らしていたり、時間を浪費しているなら、それをはっきり指摘し、失っている機会(機会費用)まで言語化してください。
私の状況を、完全に客観的かつ戦略的な視点で捉え、どこで言い訳を作っているのか、どこでスケールを小さくしているのか、またリスクや必要な努力を過小評価していないかを可視化してください。 その上で、次の段階へ進むために見直すべき思考・行動・姿勢を、具体策として優先順位付きで提案してください。
遠慮は要りません。本音でお願いします。 私は慰めではなく、成長のために真実を求めています。 だからあなたは、「私の成長に本気でコミットするアドバイザー」として接してください。
そして可能な限り、私の言葉の背景にある意図や、まだ言語化しきれていない真実を汲み取りながら回答してください。
このプロンプトが効く理由
このプロンプトには、ChatGPTの忖度を抑えるための仕掛けが複数含まれています。
・「お世辞は不要」「遠慮は要りません」と明示的に忖度を禁止している
・「論理が脆いなら」「自分に甘いなら」と、批判すべき具体的な観点を指定している
・「機会費用まで言語化」と、抽象論で逃げられないレベルの具体性を求めている
・「成長のために真実を求めています」と、厳しい回答こそがユーザーの望みだと伝えている
AIは「ユーザーが望む回答」を返そうとします。であれば、「厳しい回答こそ望んでいる」と明確に伝えることが、忖度を解除する最も効果的な方法です。

使うときのコツ
カスタム指示を設定した上で、さらに効果を高めるポイントを3つ紹介します。
・一時チャットを使う:ChatGPTのメモリ機能は過去の会話傾向に合わせて回答を調整します。客観的な意見が欲しいときは、メモリが適用されない一時チャットで相談するのがおすすめです(カスタム指示は一時チャットでも有効です)。
・「あなたはどう思うか?」ではなく「この計画の最大の弱点はどこか?」と聞く:質問の仕方を変えるだけで、忖度を回避しやすくなります。自分の意見を先に述べず、評価を先に求めるのがポイントです。
・反論されたら「もっと深掘りして」と追加する:一度の指摘で終わらせず、さらに掘り下げを求めることで、表面的な回答を防げます。
よくある質問
Q. カスタム指示を設定すると、雑談や軽い質問のときも厳しくなりませんか?
A. はい、すべての会話に適用されるため、雑談のときにもやや堅い回答になることがあります。気になる場合は、一時的にカスタム指示をオフにするか、指示の冒頭に「ビジネス相談のときのみ以下のスタイルで」と条件を追記してください。
Q. 無料プランでもカスタム指示は使えますか?
A. はい、無料プランでも利用可能です。
Q. プロンプトをそのまま使わず、一部だけ取り入れてもいいですか?
A. もちろん大丈夫です。たとえば冒頭の「お世辞や気休めは不要です。遠回しにせず、事実と判断をそのまま伝えてください。」だけでも、回答の質はかなり変わります。
Q. Claude(クロード)など他のAIでも同じプロンプトは使えますか?
A. 基本的な考え方は同じですが、AIごとに忖度の度合いは異なります。Claudeは比較的率直な回答をする傾向があるため、ChatGPTほど強い指示が必要ない場合もあります。
まとめ
・ChatGPTの忖度はAIの学習構造に起因する問題で、ユーザー側から明示的に解除する必要がある
・カスタム指示に「真実を語るアドバイザー」プロンプトを設定するだけで、すべての会話で本音の回答を引き出せる
・質問の仕方を工夫し、一時チャットを活用することで、さらに効果が高まる
AIは「使い方次第」とよく言われますが、その使い方の第一歩がカスタム指示の設定です。コピペで30秒、ぜひ試してみてください。
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