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議事録を「型」にすれば数分で終わる|株式会社あて 第3回AI研修レポート  

筆者/喜多 辰徳

第1回は「守り方」、第2回は「業務棚卸し」。そして第3回は、棚卸しで見つけたAI活用候補が、実際の業務削減につながる最初の成果物を扱う回になりました。

テーマは、普段使っているGoogle環境を活かしたAI活用と、AIによる議事録作成です。新しいツールを増やすのではなく、Gmail・カレンダー・ドライブという既存の道具をそのまま武器に変える。そして、一度「型」を作れば数分で完成する議事録の作り方を、実践形式で体験いただいた120分をレポートします。


開催概要

・日時:2026年6月4日(木)13:00〜(約2時間)

・主催:株式会社あて

・形式:対面開催

・登壇者:柏野 真吾(株式会社AI-Brain 代表取締役社長)/喜多 辰徳(株式会社AI-Brain 取締役副社長)/大鋸 佳輝(株式会社AI-Brain 公認パートナー)

・テーマ:Google環境を活かした生成AI活用 ― Gmail・カレンダー連携と、AIによる議事録作成

・回数:全12回プログラムの第3回

・使用ツール:Gemini(in Google Workspace)、Googleカレンダー、Googleドライブ・ドキュメント、NotebookLM、Google Meet、Notta、スマホのボイスメモ


第2回からの橋渡し ― この1か月のAI活用報告

研修の冒頭は、この1か月で参加者が実際に生成AIを使った事例の共有から始まりました。印象的だったのは、補助金申請に用いる完成予想図を画像生成AIで作成した事例です。自分の作業が効率化されただけでなく、これまで外部に発注していた相手の作業時間まで削減できた点が成果として挙がりました。一人の工夫が、社内外の複数の人の時間を生み出す。AI活用の効果が一人の手元にとどまらない好例です。

また、ブログ・SNS用の施工写真の補正についても声が上がりました。これまで1記事あたり複数枚を手作業で修正していた作業を、AIで効率化できるという報告です。

これらを受けて共有されたのが、「1通のメール作成は1〜2分でも、社員全員・1日単位・年間で積み上げると大きな削減になる」という考え方でした。1日分の業務が一瞬で終わる魔法を狙うのではなく、メール1通、予定登録1件といった小さな効率化を積み重ねること。まずは欲張らず、小さな成功を積み上げることの重要性を、第2回の業務棚卸しの流れを引き継ぐ形で確認しました。


Google I/Oから見る最新動向

続いて、Googleの年次発表会「Google I/O」の内容に触れ、AI利用が世界的に急拡大している状況が紹介されました。AIに処理させる情報量を示すトークン消費量は、前年比で大幅に増加しています。

ここで強調されたのが、Googleの強みです。Gmail・Chrome・YouTube・Androidといった、利用者数の多い複数のアプリを持ち、それらがGeminiを介して連携している点が最大の特長として説明されました。最新機能をすべて追う必要はありません。ただ、普段使っているアプリが進化していることに気づける状態でいること。それが、あるものを正しく使うための土台になります。


Gmail・カレンダー・ドライブ ― 普段使う環境がそのまま武器になる

第3回の前半は、新しいツールを導入するのではなく、すでに使っているGoogle環境の機能を引き出す実践でした。

ひとつめは、Gmailの返信文の自動作成です。Gmailの作成画面にあるAI支援ボタンを使い、その場で返信文を生成します。使い方は2通り共有されました。すでにある本文をAIに整え直してもらう書き換えと、要点だけを入力して1から文面を生成する白紙からの作成です。これまでChatGPTなどに文章を貼り付けて往復していた手間が、Gmail内で完結することで不要になる点を、参加者は実際に体感しました。同時に、生成された文章は敬語・宛名などを必ず人が最終チェックすることが鉄則として強調されました。

ふたつめは、Googleカレンダーへの音声での予定登録です。スマホのGeminiアプリにマイクで話しかけ、「○月○日○時から打ち合わせを入れて」と話すだけで予定が登録されます。後からの時間変更やタスク化も音声で指示できることを確認しました。一方で、複数人の空き時間を自動提案する社内全体の日程調整は、各自の予定管理ルールが整っていないと精度が出にくいため、まずは個人利用から始めるのが現実的である、という整理も共有されました。

みっつめは、Googleドライブに追加された「プロジェクト」機能の紹介です。NotebookLMが指定した資料の中だけで回答するのに対し、ドライブのプロジェクトはフォルダをまるごとソースにでき、さらにカレンダーやメールなど他のGoogleアプリの情報も横断的に参照して回答できます。施工事例フォルダを指定してブログ記事の素案を作る、といった業務への応用例も共有されました。


本命:AI議事録の4ステップ

第3回の中心テーマが、AIによる議事録作成です。会議の音声から、わずか数分で精度の高い議事録を作る一連の流れを、4つのステップに沿って実践しました。

STEP1:準備と設計

まず、議事録が必要な会議を抽出し、その会議に合った「議事録の型」を作成します。どの会議を記録に残すか、何を記録するかを会社として決めておくことが出発点です。すべての会議を残す必要はなく、型を先に決めることで、毎回の作成が安定します。

STEP2:会議とデータ化

会議中の音声を録音し、テキストへ文字起こしします。Google Meetやスマホのボイスメモといった手元にある手段に加え、Nottaのような文字起こしサービスでも対応できます。

STEP3:Gem設定

議事録作成用の専用プロンプトを構築し、Geminiの「Gem(専用アシスタント)」やプロジェクト機能に型として記憶させます。一度作ってしまえば、あとは繰り返し使い回せます。ここが、議事録作成を「毎回ゼロから」ではなく「型に流し込むだけ」に変える要です。

STEP4:生成と最終確認

文字起こしデータを読み込ませ、AIで議事録を生成します。そして、出てきたものをそのまま使わず、必ず人が内容を確認し、修正を指示します。

実演では、Gemに議事録作成用プロンプトを設定し、文字起こしデータを読み込ませて議事録を生成しました。ここで共有されたのが、実務上のコツです。対面会議では話者の識別が混在しやすいため、参加者・人数・場所などの基本情報を最初にAIへ伝えておくと精度が上がります。これにより、従来は手間のかかっていた議事録作成が、準備さえ整えればわずか数分で完了するようになります。

そして、この議事録づくりを意識することには、もうひとつの効用があります。それは、打ち合わせそのものの話の仕方が変わっていくことです。後で議事録に残ることを意識すると、会議の進め方にも自然と工夫が生まれます。たとえば、「今までの話を整理すると」と言って一旦振り返る。「今日決まったことは」と言ってお互いに決定事項を共有する。「いつまでにこれをやっておきますね」と自分のタスクを明確にし、同じように相手のタスクもはっきりさせる。こうした話し方の工夫は、議事録の精度を上げるだけでなく、会議そのものの質や、お客様とのコミュニケーションの質をも高めてくれます。


次回への橋渡し ― 外構業の「AI活用10選」

研修の最後に、株式会社あての業務である外構・エクステリアに沿って、AI-Brainが作成した「AI活用10選」が提示されました。集客 → 設計・見積 → 施工 → アフターという業務フローに沿った10の活用アイデアで、施工事例の記事化、Googleクチコミへの返信文案作成、完成イメージのビジュアル生成、メーカーカタログの横断検索、現場写真の整理・記録などが並びます。

これらを貫くのは、「写真という資産」と「顧客情報という資産」という2つの軸です。導入の鉄則として、ハードルの低いものから着手すること、各施策の最後は必ず人が確認すること、写真と顧客台帳の整備を最優先にすることの3点が示されました。これらはあくまで提案であり、自社に合うもの・合わないものを試しながら選んでいただく前提です。第4回以降、これらを順に深掘りしていきます。


参加者の声

研修後のアンケートでは、満足度で最高評価をつけた方が多数を占めました。最も重要だと感じるテーマとしては「具体的な企業や業務でのAI活用事例」を挙げる声が最多で、第4回以降の「AI活用10選」の深掘りへの期待がうかがえます。Geminiのほかに使ってみたいツールとしては、ChatGPT、文字起こしツールのNotta、画像・動画生成系ツール、Claudeなどが挙がりました。

自由記述では、業務効率化の手応えを語る声とともに、印象的な一言が寄せられました。「業務効率化は大切だが、あたたかみは絶対に外せない」。AIで作業を効率化した先に、人にしかできない部分にこそ時間を使う。第1回から一貫してお伝えしてきた「出力は必ず人が最終確認する」「人に残る仕事を見極める」という姿勢と、参加者の実感が重なった瞬間でした。


第3回を終えて:最初の「使える型」が手に入った

第1回が「守り方」、第2回が「業務に組み込む設計図を描く」回だったとすれば、第3回は「最初の使える型を手に入れる」回でした。Gmail・カレンダー・ドライブという普段使いの環境を武器に変え、議事録という具体的な成果物を数分で生み出せるようになる。業務棚卸しで見えてきたAI活用候補が、ここで初めて実際の業務削減として形になりました。

議事録は、一度「型」を整えれば毎回数分で作成でき、商談や会議の記録を負担なく資産化していけます。まずは取り組みやすい議事録から、1つずつ試していただくことをお勧めします。全12回のうち、3回が終わりました。第4回以降は、外構・エクステリア業務にAIをより具体的に溶け込ませる内容へと進んでいきます。引き続きレポートしてまいります。


社内でのAI研修を、業務棚卸しから議事録づくりまで、自社の業務に合わせてどう設計すればいいか。そんなご相談はいつでも歓迎です。AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。まずはお気軽にご相談ください。

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