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2026/10/15

Jevの活用例|記事を直すか新しく書くかをAIに判定させる

筆者/喜多 辰徳

会社のホームページでブログを続けていると、ある時期から「書く」より「決める」ほうが重くなります。たとえば、この記事は直すべきか、この企画は新しく書いてよいか、過去の記事と中身がかぶっていないか、といった判断です。記事が50本、100本と増えるほど、こうした判断が積み上がっていきます。

筆者は、文章を書かずに判定だけを行うAI「Jev(ジェブ)」を、自分が運営するメディア「AIのチカラ」の記事整理に組み込みました。どの判断をJevに任せ、どの判断を任せなかったのかを、実際に出た結果とあわせて紹介します。Jevを使わなくても真似できる進め方も、後半にまとめました。

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記事が増えると「書く」より「決める」が重くなる

ホームページの記事は、公開して終わりではありません。順位が伸びない記事を直したり、古くなった情報を書き換えたりする作業が、公開した本数に比例して増えていきます。

やっかいなのは、似た記事を新しく書いてしまう失敗です。同じ疑問に答える記事が自社に2本あると、検索結果の上位を自分の記事どうしで取り合う形になり、どちらも伸びにくくなることがあります。書く前に「もう書いた記事と同じ話ではないか」を確かめる必要があります。

この確認は、記事が少ないうちは記憶で足ります。しかし本数が増えると、人の記憶では追いきれません。AIのチカラも、Search Console(Googleが無料で提供する検索データの管理画面)でデータが取れる記事だけで200本を超えました。


Jevは文章を書かず「選ぶ」だけのAI

Jevは、TypeSafe AI社が2026年9月15日に早期アクセス版として公開したAIモデルです。ChatGPTやClaudeのように文章で答えるのではなく、あらかじめ用意した選択肢から答えを選び、その答えにどれくらい自信があるかを数字で返します。

記事の整理で必要なのは、この「選ぶ」作業です。「この企画は新規かリライトか」「このタイトルは検索の言葉と噛み合っているか」という問いには、長い文章ではなく1つの答えがあれば足ります。

Jevそのものの仕組みは、別の記事「Jevとは?文章を書かないAIの仕組みと使いどころをやさしく解説」で説明しています。ここからは、記事の整理にどう組み込んだかに絞ります。


記事の整理で判断が要るのは3つの場面

筆者が判定を組み込んだのは、記事を書く前、公開する前、公開した後の3つの場面です。

書く前:新しく書くか、既存の記事を直すか

企画を立てたら、狙う検索の言葉を2〜3本決めます。その言葉で検索されている既存記事を、Search Consoleのデータから探します。候補が見つかったら、Jevに「この企画と既存記事は、同じ疑問に答えることになるか」を聞きます。

結果は「新規」「リライト」「別記事」「判断できない」の4つに分かれます。同じ疑問に答える記事があれば、新しく書かずにその記事を直します。

この記事も、書く前にこの判定を通しました。「Jevとは」で検索されている自社の既存記事が候補に挙がり、Jevは「別の疑問」と答えました。自信の度合いは0.97でした。仕組みを知りたい人と、記事の整理に使いたい人では、知りたいことが違うという判断です。そこで新しく書き、既存記事とは互いにリンクする形にしました。

公開前:タイトルが検索の言葉と噛み合っているか

原稿ができたら、タイトル案を複数並べ、狙う検索の言葉とどれだけ噛み合っているかをJevで比べます。

ここで見つかったのは、内容は正しいのに、検索する人が打つ言葉がタイトルに入っていない失敗でした。設定画面の項目名で検索されているのに、タイトルではその項目名を短く言い換えていた記事があったのです。

公開後:どの記事を直すか

公開から時間がたった記事は、順位のわりにクリックされていないものを候補として拾います。比べる物差しには、業界の一般的な数字ではなく、自分のサイトの同じ順位帯の実績を使いました。


判定を組み込むときに決めた3つの線引き

組み込んでみて分かったのは、人が先に決めておく線引きが結果を左右するということです。

サービス名の検索とページ全体の平均は使わない

公開後の候補探しでは、最初、サービス名そのもので検索されている記事が有力候補に挙がりました。しかし、その検索をした人の多くは公式サイトを探していると考えられます。記事を直してもクリックは増えにくいので、対象から外しました。

ページ全体の平均で判断するのもやめました。手相占いのプロンプトを紹介した自社の記事は、ページ全体では、クリックの割合が同じ順位帯の見込みを37%下回っていました。ところが本命の検索の言葉だけで見ると、見込みを24%上回っていました。意図の違う検索が混ざって平均を下げていただけで、タイトルを変えていたら、うまくいっている部分を壊すところでした。

選択肢に「判断できない」を必ず置く

Jevは、用意された選択肢の外を選べません。正解が選択肢にないと、もっともらしい答えを選んでしまいます。そこで、どの判定にも「判断できない」という逃げ道を入れました。

書く前の判定を試したとき、言葉の一致だけで無関係な記事が候補に紛れ込みました。Jevはその記事に「判断できない」を選び、自信の度合いも0.16と低く出ました。逃げ道がなければ、どちらかの答えに無理に寄せていた可能性があります。判断できないものは、人が見て決めます。

直したら28日は触らない

タイトルを直した記事は、28日間は再び診断も改稿もしないと決めました。順位の変化が表れるまで時間がかかるうえ、続けて手を入れると、どの変更が効いたのか分からなくなるからです。

筆者は2026年9月21日に2本の記事のタイトルを直しました。答え合わせは10月19日以降です。直したタイトルがクリックを増やしたかどうかは、まだ分かっていません。測り直してから、改めて報告します。


Jevがなくても今日からできる記事の整理

ここまでの仕組みは、Jevとプログラムを組み合わせて動かしています。ただ、考え方は手作業でも使えます。地域の会社でホームページの記事を担当している方は、次の3つから始めてみてください。

・書く前に、狙う言葉でSearch Consoleの「検索パフォーマンス」を絞り込み、すでに表示されている自社の記事がないかを見る

・直す候補を探すときは、ページ全体ではなく、検索の言葉ごとに分けて見る

・直した日をメモに残し、少なくとも4週間は同じ記事に手を入れない

判断を「決まりごとで済むもの」「意味を読む必要があるもの」「人が決めるもの」の3つに分けておくと、将来AIに任せる範囲も見えてきます。


よくある質問

Q. Jevを使うにはプログラミングが必要ですか?

仕事に組み込むには、プログラムから呼び出す形になります。筆者は非エンジニアですが、AIにプログラムを書いてもらって組み込みました。Search Consoleから検索データを取り出す部分も、同じようにAIに任せています。

Q. 記事が少ないサイトでも意味はありますか?

判定の精度は、検索データの量に左右されます。公開から日が浅い記事は、Search Consoleのデータがまだそろっていないため照合できません。記事が少ないうちは、前の章の手作業で十分です。

Q. Jevの判定はそのまま信じてよいですか?

信じきらないほうが安全です。筆者の仕組みでも、判定は作業を止めない「検品メモ」として扱い、最後は人が決めています。Jevの数字は案どうしを比べる目安にとどめ、合格点としては使っていません。

Q. 似た記事がすでにある場合、どちらを残せばよいですか?

筆者は、すでに検索で表示されている記事を残して直す方針にしています。新しく書くのは、知りたいことが違うと判定された場合だけです。その場合も、タイトルで違いをはっきりさせ、2本の記事を互いにリンクします。


まとめ

記事が増えると、書くことより「直すか、新しく書くか」の判断が重くなります。筆者は、その判断を書く前・公開前・公開後の3つに分け、意味を読む部分だけをJevに任せました。

結果を左右したのは、人が先に決めた線引きでした。サービス名の検索と平均値を使わないこと、「判断できない」を置くこと、直したら28日触らないことの3つは、手作業でも使えます。まずは次に書く企画の言葉で、自社の既存記事を検索データから探してみてください。

▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


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