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2026/09/21

ChatGPT Images 2.5で販促物は作るから直すへ

筆者/喜多 辰徳

「あと少しなのに」で止まった経験はないでしょうか。画像生成AIにチラシを頼むと、雰囲気はいいのに日付の位置だけが違う。直してほしいと頼むと、今度は写真ごと別物になって戻ってくる。結局、一番近かった1枚を諦めて、自分で作り直すことになります。

OpenAIが2026年9月8日に発表した「ChatGPT Images 2.5」(以下、Images 2.5)は、この「あと少し」を扱うための更新です。この記事では、公式発表を個人店の販促物という一点から読み解きます。何が変わったのか、何は変わらないのか、そして最初に何を試すべきかを整理します。

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今回の更新は「綺麗になった」話ではありません

公式発表が挙げている改善点

OpenAIの公式発表が挙げている改善は、大きく次の4つです。

・指定した箇所だけを直し、ほかの部分や構図は変えない編集の精度

・複数回の編集を重ねても、前の変更が保たれる一貫性

・参照写真の被写体らしさ、光や質感の自然さ

・画像が生成されるまでの待ち時間の短縮

速くなった、綺麗になったという項目もあります。ただし個人店の販促物という目で読むと、重心は明らかに「編集」の側にあります。公式は「アセット全体を作り直さずに狙った変更を加える」ことを、制作の現場で重要だと明記しています。

一発生成には限界がありました

これまでの画像AIの使い方は、良い指示文を書いて、当たりが出るまで生成し直す、というものでした。当たれば嬉しい。でも当たった1枚に手を入れようとすると、全体が変わってしまう。だから細部は諦めるか、別のツールで上から文字を重ねるかしかありませんでした。

これは使い方が下手だったのではなく、道具がそういう作りだったからです。


「ここだけ直して」が通ることの意味

作り直すことと、直すことは別の仕事です

作り直しは運です。直すのは作業です。この違いは、販促物を作る人にとって大きいと私は考えています。

運の要素が強い道具は、時間の見積もりができません。10分で終わるかもしれないし、1時間かけて諦めるかもしれない。閉店後の限られた時間で販促物を作っている人にとって、これは道具として使いにくい状態でした。

「ここだけ直して」が通るなら、1枚を育てていけます。今日は写真の背景、明日は日付、来週は価格。積み重ねが消えないなら、時間の見積もりが立ちます。

販促物は完成品ではなく、更新されるものです

もう一つ、見落とされがちな点があります。個人店の販促物は、1回作って終わりではありません。

月替わりのメニュー、季節限定の告知、営業時間の変更、価格の改定。最初の1枚を作る回数より、そのあと何度も直す回数のほうが圧倒的に多いのが実態です。作ることが得意で直すことが苦手な道具は、この仕事の形に合っていませんでした。

今回の更新で、道具の得意分野が仕事の形に近づいた。私はそう読んでいます。


手を動かせる3つの入口が用意されました

編集の精度と並んで、公式発表には操作面の新機能が3つ書かれています。いずれも「うまい指示文を書く」以外の入口です。

画像に直接コメントを書く

生成した画像の上に、直したい箇所を指してコメントを置けるようになりました。「右上の日付を左下に」と文章で説明するより、その場所を指して「ここ」と言うほうが早い場面は多いはずです。

手書きから起こすSketch

ChatGPTの画面上で直接絵を描き、それを下絵として完成画像を作る機能です。公式は「プロのアーティストである必要はない」と書いています。部屋のレイアウトや、ちょっとした落書きでよいとのことです。

チラシの下書きを紙に描いてから作る人は多いと思います。その紙をそのまま渡せる、と考えると分かりやすいでしょう。

テンプレートから始める

白紙から始める代わりに、決まった形式を選んで中身を足していく機能です。公式が例として挙げているのは、チラシ、商品写真、ポスター、グッズです。

この例の並びは、個人店の販促物そのものです。企業のブランド広告ではなく、店先で使う物が最初に挙がっている点は、覚えておいてよいと思います。


個人店の販促物で、具体的に変わりそうなこと

ここからは、公式発表の説明を私の店の目線で翻訳したものです。まだ実務で使い込んでいないため、試した結果ではなく、発表から読み取れる使い方として書きます。

・メニュー写真の背景だけを差し替える。厨房の棚が映り込んだスマホ写真を、料理はそのままに背景だけ整える

・季節のチラシの日付と価格だけを更新する。前月の1枚をベースに、変わった箇所だけ直す

・POPの下書きを紙に手書きし、そのまま清書させる

・同じ商品の写真を、SNS用とチラシ用で構図違いに展開する

共通しているのは、「自分の店の写真や下書きをそのまま使う」ことです。テンプレートの店にならず、外注にも出さず、自分の素材で自分の店らしさを保つ。これが、今回の更新で現実味を帯びた使い方だと考えています。


それでも変わらないこと

道具が変わっても、変わらない前提が3つあります。

識別の仕組みは以前から続いています

公式発表には、C2PAメタデータと不可視の電子透かしを引き続き使い、自社ツールで作られた画像を識別しやすくする、と書かれています。今回新たに始まったのではなく、前の世代から続いている仕組みです。

AIで作った画像を店の販促物に使うなら、識別できる仕組みが入っていることは前提として知っておくべきです。隠すものではなく、聞かれたら答えられるようにしておくものだと私は考えています。

何を伝えるかは、人が決めます

直しやすくなったのは、伝え方の部分です。誰に、何を、なぜ今伝えるのか。ここは道具がどれだけ進んでも店主の仕事です。むしろ直しやすくなった分、「何を直したいか」を先に言葉にする習慣のほうが、道具の使い方より効いてきます。

文字と数字は、最後に自分で確認します

価格、日付、電話番号、営業時間。ここを間違えた販促物は、綺麗でも意味がありません。生成の精度が上がっても、最終確認を道具に任せる理由にはなりません。


私がまず試す3つのこと

正直に書くと、この記事を書いている時点で、私はまだImages 2.5を実務で使い込んでいません。ですから、速くなった、精度が上がったという数字は、この記事には書きません。自分で確かめていない数字を載せないのが、このメディアの決まりです。

代わりに、これから試す順番を書いておきます。

・手書きのメモを1枚、Sketchでチラシに起こす

・既存の料理写真1枚で、「背景だけ変えて」が本当に背景だけで済むかを見る

・生成した画像に何が埋め込まれているかを、自分の目で確認する

どれも30分あれば済む内容です。結果は、試してから別の記事で書きます。


FAQ

Q1. 誰が使えますか

公式発表によると、デスクトップ、モバイル、ウェブの全プランで、ChatGPT、ChatGPT Work、Codexのユーザーが利用できます。開発者向けにはAPIで2つのモデルが提供されています。

Q2. 指示文(プロンプト)を書く技術は不要になりますか

不要にはなりません。ただし役割が変わります。公式はSketchについても、スタイルや反映したいディテールの説明を加えると、より確実になると書いています。一発で当てるための技術から、直したい箇所を的確に伝えるための技術へ、重心が動くと考えるのが近いでしょう。

Q3. 店の販促物に使ってよいのですか

利用条件は、OpenAIの利用規約で必ず確認してください。この記事では規約の解説はしません。識別の仕組みが入っていることと、商用利用が認められるかどうかは別の問題です。前提として知っておくべきなのは、識別の仕組みが以前から入っているという点です。使うかどうかの判断は、それを知った上で、規約を確認して行うのがよいと思います。

Q4. 以前の画像AIで作った販促物は、作り直すべきですか

作り直す必要はありません。むしろ今回の更新は、作り直さずに直すための道具です。手元にある1枚を、直したい箇所から手を入れていくのが自然な使い方です。


まとめ

今回の更新の重心は、綺麗さではなく編集にあります。「ここだけ直して」が通ることで、画像AIは作り直す道具から直す道具に近づきました。

個人店の販促物は、作って終わりではなく、毎月どこかを直し続けるものです。道具の得意分野がその仕事の形に寄ってきたことが、今回の本質だと私は考えています。

最初の一歩は、自分の店の写真や下書きを1枚用意することです。そこから直してみてください。

▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


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