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2026/08/26

Gemini Notebookのリサーチは2種類、使い分けの基準

筆者/喜多 辰徳

検索して、上位の記事を開いて、読んで、外れだったと気づいて、戻る。この往復を数十回繰り返しているうちに、半日が消えている。調べ物とは、そういうものだと思っていないでしょうか。

しかも厄介なのは、その半日が次に残らないことです。3ヶ月後に同じテーマを調べ直して、以前も調べていたと気づく。よくあることです。この記事では、Gemini Notebookに用意された2つのリサーチ機能と、どちらを使うかの判断基準をお伝えします。

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調べ物が終わらない、本当の理由

調べ物が長引く原因は、情報が多すぎることではありません。何が出てくれば終わりなのかを、始める前に決めていないことです。

終わりの形が決まっていないと、いくら読んでも「まだ足りない気がする」という感覚が続きます。だから止まれません。

ここを先に決めると、調べ方そのものが変わります。そしてGemini Notebookでは、この決定がそのまま機能の選択になります。


リサーチの入口は、2つあります

Gemini Notebookには、性質の異なる2つのリサーチ機能が用意されています。

Fast Research:候補を集めて、自分で選ぶ

ソースパネルの検索ボックスにテーマを入力すると、関連するウェブサイトやドキュメントが候補として提示されます。ウェブだけでなく、Googleドライブの中も検索対象になります。

出てきた候補から、良さそうなものを選んでノートブックに取り込みます。複数まとめて選べます。

これは以前「ソースを探す」と呼ばれていた機能の後継にあたります。速さを優先した設計で、あなたの仕事は読むことではなく選ぶことになります。

Deep Research:調査計画から任せる

もう一方は、Gemini Notebookの中から直接使えるDeep Researchです。

こちらは性質がまったく違います。テーマを渡すと、AIが自分で調査計画を立て、数百のウェブサイトを参照し、結果を分析して、複数ページの分析レポートを作成します。出典が付いた状態で返ってきます。

処理はバックグラウンドで進むため、待っている間もノートブックで別の作業を続けられます。できあがったレポートは、そのままノートブックのソースとして追加できます。


どちらを使うかは、終わりの形で決めます

機能の優劣ではなく、あなたが何を手に入れたら終わりなのかで選びます。

・素材が欲しいときはFast Research。全体像をつかみたい、切り口を変えて何度も探したい、あとで自分で読む前提のとき

・結論が欲しいときはDeep Research。出典付きのレポートをそのまま資料の土台にしたい、自分では回りきれない範囲を任せたいとき

判断に迷ったら、Fast Researchから始めてください。候補を眺めているうちに、自分が何を知りたかったのかがはっきりします。それからDeep Researchに渡しても遅くありません。

逆に、いきなりDeep Researchに漠然としたテーマを渡すと、分厚いレポートが返ってきて、それを読む時間が新たに発生します。調べ物が終わらない構造を、そのまま持ち込むことになります。


Fast Researchは、切り口を変えて複数回まわす

Fast Researchを使うときのコツは、同じテーマを1回で終わらせないことです。切り口を変えると、集まる情報が変わります。

〔テーマ〕のおすすめや比較をまとめた記事を探して
〔テーマ〕の具体的なやり方・手順を解説した記事を探して
〔テーマ〕の失敗事例・やってはいけないことを探して

1つ目で全体像が入ります。2つ目で実務の手順が入ります。3つ目で落とし穴を先回りできます。

3つ目を忘れる人が多いのですが、企画の精度を上げるのはここです。うまくいった事例より、うまくいかなかった理由のほうが判断材料になります。

こうして集めた素材は、ノートブックに残ります。次に同じテーマを扱うとき、ゼロから検索し直す必要がありません。調べた時間が次に残るかどうかは、この一点で決まります。


競合調査は、使い捨てにしないでください

競合他社の調査は、重いのに定期的にやってくる仕事です。各社のサイトを回り、発表を読み、比較表を作る。しかも情報は数ヶ月で古くなります。

集めるところと分析するところを分けてください。集めるのはFast Researchか、競合サイトのURLを直接ソースに追加する方法です。集まったら、分析を任せます。

ソースの競合情報を分析して、以下をまとめてください。

1. 各社の主なサービスの特徴
2. 想定している顧客層
3. 価格の考え方と、他社との違い
4. 各社の強みと弱み
5. 自社が差別化すべき点を3つ

それぞれ、どの資料に書いてあるかを示してください。

最後の1行で出典が付くため、上司や取引先から「その情報の根拠は」と聞かれてもすぐに戻れます。

そしてこのノートブックは、使い捨てにしないでください。新しい発表が出るたびにソースを足していけば、競合の動きを追い続ける定点観測用のノートブックに育ちます。「最近あの会社どう動いてる」に短時間で答えられる状態は、企画でも営業でも効きます。


分厚いレポートは、全部読もうとした時点で負けです

官公庁の統計、業界団体の資料、調査会社のレポート。信頼できる情報ほど分厚く、読みにくくなります。

100ページのPDFを前に「どこかに欲しい数字があるはず」とスクロールし続ける時間は、そのまま消耗です。全部読もうとせず、必要な断面だけ抜いてください。

ソースの業界レポートから、以下を抽出してください。

1. 市場の規模と推移(数字の根拠を添えて)
2. 主要な企業の動向
3. 自社の事業に影響しそうな変化を3つ
4. 会議で報告すべき要点(3分で話せる分量で)

4番のような使い道の指定が実務のコツです。レポートを読む目的は、たいてい誰かに説明するためか、何かを判断するためです。その用途を最初に書いておけば、出てきたものがそのまま成果物になります。


数字の根拠は、探し回るのをやめて溜める

企画書でも社内の説得でも、意見と数字なら数字が勝ちます。ただ、その数字を探すのに時間がかかります。

「たしかどこかの調査で見た」と検索を彷徨い、見つけても出典が怪しいサイトだった、という経験は誰にでもあります。

ここはFast Researchに任せてください。

〔テーマ〕に関する統計データ・調査レポート・数字の根拠を探して

官公庁の統計や調査レポートといった、引用に耐える情報源が候補に並びます。一度ノートブックに溜めておけば、企画書を書くたびに「あの数字はノートブックに聞けばある」という状態になります。

出典付きで整理されるので、資料への引用もそのまま使えます。


最初にやること

次の調べ物で、この順番を試してみてください。

・調べ始める前に、何が出てきたら終わりなのかを一行で書く

・素材が欲しいならFast Research、結論が欲しいならDeep Researchを選ぶ

・Fast Researchなら、切り口を変えて3回まわす

・集めた素材はノートブックに残し、次の調べ物のときに使う

一行書くだけで、調べ物の輪郭が変わります。

なお、社外に出す資料に使う数字は、AIが示した出典まで自分で確認してください。出典が付いていることと、その出典が信頼できることは別の話です。


よくある質問

Q. Fast ResearchとDeep Researchは、どちらが正確ですか。

A. 正確さの比較ではなく、目的の違いで選んでください。Fast Researchは候補を提示するところまで、Deep Researchは分析してレポートにするところまでを担当します。最終的な判断は、どちらの場合も人が行います。

Q. Deep Researchの結果は、そのまま資料に使えますか。

A. 出典が付いた状態で生成されますが、その出典が信頼できるかどうかは自分で確認してください。特に官公庁や業界団体の統計を引用する場合は、原典まで戻ることをおすすめします。

Q. 調べている間、待っていないといけませんか。

A. Deep Researchはバックグラウンドで進みます。待機中もノートブックで別の作業を続けられますし、できあがったレポートはそのままソースとして追加できます。

Q. Googleドライブの中の資料も探せますか。

A. Fast Researchはウェブに加えて、Googleドライブ内も検索対象にできます。社内資料と外部情報をまとめて集めたいときに便利です。

Q. 集めたソースは、あとから追加できますか。

A. できます。同じノートブックに足していけば、そのテーマの情報が蓄積されていきます。競合調査のように定期的に更新が必要なテーマほど、この使い方が効きます。


まとめ

調べ物の時間を次に残すために、押さえるべきことは3つです。

・調べ物が終わらないのは、何が出てきたら終わりかを決めていないからです

・Gemini Notebookには入口が2つあります。素材が欲しいならFast Research、出典付きの結論が欲しいならDeep Researchです

・集めた素材はノートブックに残ります。同じ調べ物を二度しなくて済む状態が、本当の時短です

次の調べ物では、検索を始める前に一行だけ書いてみてください。何が出てきたら終わりなのか。それだけで、開いて閉じるの往復が減ります。

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