AIに「動画を作って」と頼むと、音楽付きの動画ファイルが返ってきます。筆者は、9月22日に公開されたClaude Opus 5.5と、9月3日(米国時間)に発表されたGPT-6 Astraに、まったく同じプロンプトで15秒のモーショングラフィックス動画を作ってもらいました。
とはいえ、どう頼めばいいのか、2つのAIで何が違うのか、イメージがわかない方も多いと思います。この記事では、非エンジニアの筆者が実際に試した作り方の手順と、2本の動画をコマ単位で見比べて分かった仕上がりの違いを紹介します。
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AIに動画を作らせるとは、どういうことか
今回の方法は、映像そのものを生み出す動画生成AIとは仕組みが違います。AIがまず動画用のプログラムを書き、そのプログラムが1コマずつ絵を描きます。
15秒の動画を1秒60コマで作るので、描く絵は900枚です。音楽もプログラムで一から合成し、最後に絵と音を1つの動画ファイルにまとめます。
描き方は2つのAIで違いました。
・Opus 5.5は、画面をウェブページとして組み、ブラウザで1コマずつ撮影していました
・GPT-6 Astraは、Pythonというプログラミング言語で絵を描いていました

文字もプログラムで描くため、崩れにくいのが強みです。今回の2本も、文字はくっきり正確に表示されていました。
今回の実験条件
使ったのは次の2つです。どちらも、パソコン上でファイル作成やプログラムの実行まで代行してくれるAIアプリです。
・Claude Opus 5.5(Anthropic、2026年9月22日公開)を、Claude Codeのデスクトップ版で使いました
・GPT-6 Astra(OpenAI、2026年9月3日〈米国時間〉発表)を、Codexのデスクトップ版で使いました
条件をそろえるため、どちらにも同じプロンプトを渡しました。思考の強さ(AIがどれだけ考えてから答えるかの設定)は、どちらも「high」です。会社のデザインルールなど、作風を縛る設定も外して、自由に作ってもらいました。
渡したプロンプトは次の1文です。
あなたがどれほど素晴らしいモーションデザイナーかを示す、ダイナミックな15秒のモーショングラフィックスビデオを作成してください。履歴書用のショーリールのような感じで、全力でやって。ショーリールとは、映像制作者が自分の腕前を見せるために作る、作品のダイジェスト映像のことです。
動画を作る5つの手順
非エンジニアの方でも再現できるよう、実際の流れを5つの手順で紹介します。
手順1:作業用のフォルダを用意する
Claude CodeもCodexも、指定したフォルダの中で作業します。空のフォルダを1つ作って指定しておけば、完成した動画もそこに保存されます。
注意したいのは、フォルダ内の設定ファイルです。会社のデザインルールなどを書いたファイルがあると、AIはそれに合わせて作ろうとします。自由に作ってほしいときは、設定のないフォルダを使うか、「ルールは気にせず自由に作って」と一言添えてください。
手順2:プロンプトを貼って送る
アプリで作業フォルダを選び、先ほどのプロンプトを貼り付けて送ります。やることはこれだけです。
AIは最初に作る方向を短く宣言し、そのまま作業に入ります。GPT-6 Astraは冒頭で「コンセプトはMAKE IT MOVE」と示していました。
手順3:許可を求められたら内容を確認する
作業の途中で、ファイル作成やソフトの実行の前に、許可を求める画面が出ることがあります。内容を確認して許可すれば先へ進みます。許可待ちの間は作業が止まるので、完成までは画面の近くにいるのがおすすめです。
手順4:完成した動画を確認する
完成すると、チャット画面に動画と保存場所が表示されます。GPT-6 Astraは、指示から約7分で完成しました。Opus 5.5は、その倍以上の時間をかけて仕上げました。
どちらのAIも、書き出したあとに自分でコマを抜き出し、秒数やコマ数まで点検してから報告してくれました。受け取る側は再生して確かめるだけです。
手順5:直したいところは言葉で頼む
気になるところがあれば、「文字をもっと大きく」のように言葉で直しを頼めます。中身がプログラムなので、部分的な変更にも対応しやすい仕組みです。
仕上がり比較:同じお題でも作風は正反対
届いた2本は、次のURLで見られます。
・Opus 5.5が作った動画:https://youtu.be/2K9LRnPznFA
・GPT-6 Astraが作った動画:https://youtu.be/sK3r1_s125o
Opus 5.5:光と技を次々に見せる
Opus 5.5の動画は、暗闇に火花が灯るところから始まり、約2秒ごとに違う技が登場します。
・火花が光の線を描きます(IGNITION)
・「MAKE」「IT」「MOVE.」の3語を、拍ごとに切り替えます(KINETIC TYPE)
・ネオンのトンネルを、スローから一気に加速しながら進みます(SPEED RAMP)
・7つの液体の玉が脈打ち、1つに融け合います(LIQUID)
・3,774本の光の筋が、流れに乗って渦を巻きます(FLOW FIELD)
・12枚の鏡で作る万華鏡が広がります(KALEIDOSCOPE)
・「NO RULES.」などの言葉を連打し、グラデーションの「CLAUDE」で締めます

画面の四隅には、カメラのファインダーのような計器表示が付き、テンポ(120BPM)なども表示されています。締めには日本語で「ルールを外して、好きに作りました。」という一文まで添えてありました。
音の作りも見事です。冒頭は静かで、1.5秒で光がはじけると同時に音が一気に大きくなります。文字の切り替えも、ぴったり拍に乗っていました。
GPT-6 Astra:色と文字を絞って統一する
GPT-6 Astraの動画は、黒・ライム・コバルトブルーの3色を軸に、太い文字で組み立てた作品です。章ごとに短いコピーが入り、広告のような見せ方になっています。
・小さな星がはじけて、巨大な「MOTION」の文字が現れます
・「TYPE WITH IMPACT」の3語が積み上がります
・薄紫の画面で、青い3Dの結び目が回転します(BEYOND FLAT.)
・アイコンのタイルが、拍ごとに色を変えます(FEEL THE BEAT.)
・850個の粒子の流れに、「CONTROL THE CHAOS.」の文字が重なります
・最後の約3秒は、「MAKE IT MOVE.」の締めのカードをじっくり見せます

画面の上下には章の番号と経過時間が一貫して表示され、どの場面を切り取っても同じシリーズに見えます。音は128BPMの一定のビートで、場面の切り替えは4拍・8拍の区切りに合っていました。
一方で、3Dの結び目をよく見ると、表面に細かな段差が残っていました。
骨組みはそっくりだった
面白いのは、別々のアプリで作った2本なのに、骨組みがよく似ていた点です。
・最初の章の名前が、どちらも「IGNITION(点火)」でした
・2番目の章は、どちらも「KINETIC TYPE(動く文字)」でした
・後半には、どちらも粒子の流れを見せる章がありました
・合言葉は、どちらも「MAKE IT MOVE」でした
・どちらも1秒60コマ・全900コマで、音楽を自作し、画面にテンポを表示していました
ショーリールの定番の型は、どちらのAIもしっかり身につけているのだと思います。差が出たのは、その型にどんな色と技を乗せるか、つまり作風の部分でした。
軍配はOpus 5.5、目的で使い分けるのがおすすめ
筆者の軍配は、Opus 5.5です。今回のお題は「どれほど素晴らしいモーションデザイナーかを示す」ショーリールでした。光、液体、粒子、万華鏡と、技の幅を2秒ごとに見せる構成が、腕前の見本としていちばんお題に合っていました。
音の強弱まで場面と連動していて、15秒の中にきちんと盛り上がりの山があるのも決め手です。計器表示や日本語の締めの一文など、細部の遊び心にも感心しました。
GPT-6 Astraにも、はっきりした強みがあります。色と文字を絞った統一感と読みやすさ、そして約7分という速さです。会社紹介やイベントの告知のように、ブランドの印象をそろえたい映像なら、こちらが向いています。

どちらを使う場合も、色や雰囲気の希望をプロンプトに書き足せば、作風をある程度寄せられます。
よくある質問
Q. プログラミングの知識がなくても作れますか?
A. 作れます。筆者はコードを1行も書いていません。AIがプログラムを書き、動画ファイルへの書き出しと仕上がりの確認まで進めてくれました。
Q. 動画生成AIとは何が違いますか?
A. AIが書いたプログラムで1コマずつ描く点が違います。そのため文字が崩れにくく、あとから言葉で直しを頼むのにも向いています。
Q. BGMの著作権は大丈夫ですか?
A. 今回の2本は、どちらも音楽をプログラムで一から合成し、外部の音源は使っていません。ただ、商用で使う前には各サービスの利用規約も確認しておくと安心です。
まとめ
AIに動画を頼むと、プログラムで1コマずつ絵を描き、音楽まで付けて仕上げてくれます。手順は、作業フォルダを用意してプロンプトを貼るだけです。仕上がりは、光と技で魅せるOpus 5.5と、統一感と速さのGPT-6 Astraで、はっきり分かれました。筆者の軍配はOpus 5.5です。まずは記事のプロンプトをそのまま貼って、手元のアプリで15秒動画を作ってみてください。
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