TOPICS

2025/12/14

ChatGPT「カスタムインストラクション」設定ガイド

筆者/喜多 辰徳

はじめに:毎回同じ説明を書いていないか?

前回(「ChatGPTの学習設定」)は、ChatGPTに入力した内容を「学習に使わせない」ための設定について紹介しました。守りの準備ができたら、次は“攻め”の設定です。

もしあなたが、ChatGPTを開くたびに

  • 「私は○○で働いていて…」と毎回背景を説明している

  • 「敬語で、箇条書きで」と毎回同じ指示を書いている

としたら、その時点でかなり時間をムダにしています。
この“同じ説明の繰り返し”をやめるために使うのが、

  • 「基本的なスタイルとトーン」

  • 「カスタムインストラクション(カスタム指示)」

という2つの設定です。


カスタムインストラクションとは?一言でいうと「名刺+マニュアル」

「カスタムインストラクション」は、ChatGPTにあらかじめ

  • あなたがどんな人か(名刺)

  • どう答えてほしいか(マニュアル)

を登録しておける機能です。

毎回のチャットの冒頭で長々と背景を説明しなくても、

「この人は地方の○○でこういう仕事をしていて、こういう口調を好む」

という前提を踏まえて返答してくれるようになります。

ここに、全体の“性格”を決めるのが
「基本的なスタイルとトーン」です。


設定画面はどこにある?

細かい画面表示は今後変わる可能性がありますが、基本的な流れは次の通りです。

  1. 画面左下(または右上)の自分の名前・アイコンをクリック

  2. 「設定(Settings)」を開く

  3. メニューから「パーソナライズ(Personalize/Personalization)」を選ぶ

  4. その中に

  • 「基本的なスタイルとトーン」

  • 「カスタム指示」(=カスタムインストラクション)
    が並んでいます。

ざっくりまとめると:

  • 基本的なスタイルとトーン
    → ChatGPT全体の“性格・しゃべり方の方向性”をプリセットから選ぶ場所

  • カスタムインストラクション(カスタム指示)
    → あなたの仕事や状況に合わせた、より具体的な指示を書く場所

という「性格プリセット」+「現場向けの細かい指示」の二段構えになっています。


基本的なスタイルとトーンで“性格”を決める

「基本的なスタイルとトーン」では、次の8種類から性格を選べます。

  • デフォルト(Default)
    バランス重視の標準。迷ったらまずこれ。

  • プロフェッショナル(Professional)
    かための敬語で論理的。公的文書・ビジネス用途向け。

  • フレンドリー(Friendly)
    やわらかく親しみやすい。お客さま・住民向けの案内文に。

  • 率直(Candid)
    ストレートで回りくどくない。改善点や課題整理に向く。

  • 個性的(Quirky)
    お茶目で発想豊か。キャッチコピーや企画アイデア出し向け。

  • 無駄がない(Efficient)
    要点だけ簡潔に伝える。要約やToDo整理に最適。

  • 探究心が強い(Nerdy)
    背景や理由まで深く説明。じっくり学びたいテーマに。

  • 皮肉っぽい(Cynical)
    批判的で皮肉交じり。失敗パターンやリスク洗い出し用(対外文書には基本NG)。


「AIのチカラ」読者向け・おすすめの組み合わせ

地方の現場を想定すると、次のような選び方が現実的です。

  1. 仕事で使う人(役所・中小企業・団体)

  • 第一候補:プロフェッショナル

  • 次点:無駄がない
    → 説明のブレが少なく、資料・メール文のたたき台にしやすい。

  • 地域活動・NPO・住民向け広報が多い人

  • 第一候補:フレンドリー

  • 次点:デフォルト
    → 固すぎないトーンで、相談・周知どちらにも使える。

  • 企画・アイデア出しがメインの人

  • 第一候補:個性的

  • 深掘りが好きなら:探究心が強い

まずここで“性格”をざっくり決めてから、次にカスタムインストラクションで「現場仕様」に寄せていきます。


カスタムインストラクションは「1回書いたら終わり」ではありません。業務の型を決めて、例文を固定して、社内で揃えると一気に効きます。

次に読む(明日から使える型にする)
・プロンプトの基本:AIに伝わる質問をつくる7つのコツ
 https://ai-no-chikara.com/posts/prompt-basic-7-tips
・そのまま使える:ChatGPTの回答を直して精度を上げる「品質改善プロンプト」
 https://ai-no-chikara.com/posts/quality-improvement-prompt-chatgpt
・業務の棚卸しで「AIに任せる領域」を特定する(ハンズオン)
 https://ai-no-chikara.com/posts/work-inventory-ai-delegation



カスタムインストラクションで「現場仕様」にチューニング

次に、「カスタムインストラクション(カスタム指示)」の設定です。

画面には、たとえば次のような項目が並びます。

  • 「あなたについて(Who are you?)」

  • 「ChatGPTの答え方の希望(How should ChatGPT respond?)」

ここに、あなたの状況や希望を書くことで、“自分の現場に合ったAI”に近づけていきます。

そのまま使えるテンプレート3パターン

初心者が一番困りがちなのは「何を書けばいいのか」です。
そのままコピペして、少しだけ自分用に直せば使えるテンプレートを3つ用意しました。

① 個人利用(調べもの・学習)

【あなたについて(Who are you?)】
「地方在住の40代会社員。情報技術(IT)は得意ではないが、仕事や生活の効率化のために人工知能(AI)を使いたい。」

【ChatGPTの答え方の希望(How should ChatGPT respond?)】
「専門用語はできるだけ省き、中学生にも分かるレベルの例えを入れて説明してください。最後に3行で要点をまとめてください。」

② 小さな会社・お店向け

【あなたについて(Who are you?)】
「地方の商店街で〇〇を営んでいる経営者。チラシや、ラインアプリ(LINE)配信用の文章作成を手伝ってほしい。」

【ChatGPTの答え方の希望(How should ChatGPT respond?)】
「お客さま向けの丁寧な言葉づかいで、日本語のみで出力してください。毎回、キャッチコピー案を3パターン提案してください。」

③ 自治体・地域活動・NPO向け

【あなたについて(Who are you?)】
「地方で地域イベントを企画・運営している民間非営利団体(NPO)のスタッフ。広報文や企画書のたたき台を作りたい。」

【ChatGPTの答え方の希望(How should ChatGPT respond?)】
「高齢者にも伝わりやすい、シンプルで固すぎない文章にしてください。想定文字数(〇〇字程度)も毎回一緒に教えてください。」

ポイントは、「誰に向けた文章を作りたいのか」まで書いておくことです。
ここまで指定しておくと、ChatGPTのアウトプットが一気に“現場仕様”になります。


カスタムインストラクションを書くときのコツ3つ

カスタムインストラクションの書き方を間違えると、「思っていたのと違う」出力になりがちです。
最低限、次の3つだけ意識してください。

1. 欲張らない(項目は2〜3個に絞る)

「敬語」「箇条書き」「毎回3パターン」など、絶対に守ってほしい条件だけを書きます。
条件を盛り込みすぎると、AIがどれを優先してよいか分からなくなります。

2. 曖昧な表現を避ける

  • 「なるべく分かりやすく」

  • 「いい感じに」

といった言葉は避けて、

  • 「中学生にも分かるように」

  • 「専門用語を使う場合は、かならず補足説明を入れて」

のように、具体的な指示に変えます。

3. “書いて終わり”にしない(週1で見直す)

数日使ってみて、「敬語がかたい」「説明が長すぎる」と感じたら、その都度文章を直します。
現場の変化に合わせて少しずつ更新していく“生きた設定”だと考えてください。


効果を実感するためのミニ実験

「本当に意味あるの?」と思う方は、次の簡単なテストをやってみてください。

  1. カスタムインストラクションなし の状態で、
    「イベント案内文を作って」と依頼し、完成までに自分が打ち込んだ説明の量をざっくり覚えておく。

  2. 上記③のような内容を「カスタムインストラクション(カスタム指示)」に書き込み、
    「新しいチャット(New Chat)」から同じ依頼をしてみる。

  3. 1回目と2回目で、

  • こちらが入力した説明の量

  • 出てきた文章の“現場へのフィット感”
    を比べてみる。

多くの人は、2回目のほうが「説明が半分以下なのに、現場ですぐ使える文章になっている」ことに気づきます。
この感覚が一度つかめれば、“設定なしのChatGPT”には戻りにくくなるはずです。


まとめ:まずは「スタイル選び」と「3行の指示」から

今回のポイントを整理すると、次の3つです。

  1. 守りの設定:入力内容を「学習に使わせない」(前回「ChatGPTの学習設定」で解説)

  2. 攻めの設定(その1):

  • 「基本的なスタイルとトーン」で性格プリセットを選ぶ

  • 攻めの設定(その2):

  • 「カスタムインストラクション(カスタム指示)」で自分の現場に合わせてチューニングする

この二段構えを押さえるだけで、ChatGPTは「なんとなく触ってみるAI」から「仕事・地域活動を支える相棒」に変わります。

いきなり完璧を目指す必要はありません。
まずは次の3行だけをカスタムインストラクションに入れてみてください。

  • 自分は誰か(役割・業種)

  • 誰向けの文章が欲しいか(お客さま・住民・上司など)

  • どんな形で出してほしいか(敬語・箇条書き・パターン数 など)


前回「ChatGPTの学習設定」とあわせて読むことで、「安全に・自分らしく使うための基本」が学べます。

<Information>
生成AIを社内で使い始めるときに詰まりやすいのは、ツール選びより「入力していい情報」と「運用のルール」です。貴社の状況を伺い、最小限のルールと最初の一歩を30分で整理します。情報収集だけでも歓迎します(オンライン可)。
【無料で壁打ちする(30分)】

無料相談(30分)はこちら

この記事をシェアする

ホームTOPICS

ChatGPT「カスタムインストラクショ...