お問い合わせ

TOPICS

2026/10/12

AI時代の公式サイトは集客より出典|地域の会社がまずやる3つ

筆者/喜多 辰徳

「最近、ホームページを見に来る人が減っている。作り直したほうがいいのか」。地域の会社の方から、こうした相談を受けることが増えました。お客さんが検索結果を一つずつ開く代わりに、ChatGPTやGeminiに質問して答えを受け取る場面が増えているからです。

結論から書くと、公式サイトは要らなくなるのではなく、役目が変わります。人を集める入口から、AIと人が確かめに来る「出典」へ移っていきます。ここでは、専門家6人への取材記事とAIのチカラでの計測結果をもとに、地域の会社が最初に手をつける3つの作業までまとめました。

▼記事を3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


専門家6人の答えは「必要。ただし役目が変わる」

Web担当者Forumは2026年9月30日、「AI時代にWebサイトは必要なのか?」という特集を公開しました。SEO、アクセス解析、広報、Web制作と、立場の違う6人に同じ5つの質問をした記事です。

6人とも「必要」と答えています。そのうえで共通していたのは、これまでと同じ使い方のままではない、という点でした。

Googleで検索のエバンジェリストを務めた金谷武明氏は、役割の重心が「人とAIの双方が参照する一次情報源」へ移ると答えています。AIは何もないところから答えを作れず、Web上の情報を参照するからです。

出典:AI時代にWebサイトは必要なのか? 6人の専門家に聞いた(Web担当者Forum)


訪問は減っても、来る人の本気度は上がる

調べる人はAIへ、確かめる人はサイトへ

複数の専門家が、サイトへの訪問数そのものは減ると見ています。そのかわり、AIの答えで候補を絞ってから来る人が中心になるので、1件あたりの重みは増す、という見方です。

リフォーム会社で考えてみます。お客さんがAIに「近くで水回りのリフォームを頼める会社」を聞き、名前が挙がった会社のサイトで施工事例と対応エリアを確かめてから電話をかけます。サイトは比べ始める入口ではなく、決める直前に確かめる場所になります。

ページビューだけを見ると判断を誤る

アクセス解析が専門の小川卓氏は、AIの回答で自社が紹介されても、サイト内の数字にはほとんど表れないと指摘しています。訪問数を一番の指標にしたままだと、正しい取り組みが「効果なし」に見えてしまいます。

ページビューが落ちたからといって、すぐにサイトの作り直しを決めないでください。先に、数字の見方を変える必要があります。


AIのチカラで測ってみた、AIからの訪問

筆者が運営するAIのチカラでも、AIからの訪問を測ってみました。Google アナリティクス 4(GA4)には2026年5月から「AI Assistant」という分類が加わり、ChatGPTやGeminiなどからの訪問がまとめて表示されるようになっています。

2026年6月1日から9月21日までの約3か月半で、この分類に入った訪問は133件でした。全体の約4万5千件のうち、0.3%ほどです。内訳はGeminiが最も多く、ChatGPT、Claude、Perplexityと続きました。

一方で、ほかの分類に入っていたAIからの訪問も29件ありました。分類が始まった直後の時期を含むとはいえ、AIからの訪問はもともと数が少ないうえに、標準の画面だけでは取りこぼしが出ることがあります。

この結果から、AIからの訪問数だけでAI対策の成果を測るのは難しいと考えています。AIに紹介された回数は、サイトの数字の外側にあるからです。


地域の会社がまずやる3つ

1. 自社にしかない情報を書き出す

価格の目安や施工・納品の事例、対応できる地域、よくある質問への答えは、AIがほかのサイトから集めて作ることができません。金谷氏も小川氏も、自社にしかない一次情報が参照される価値を持つと答えています。

まずは社内の見積書、過去の問い合わせメール、現場の写真から、サイトに載っていない情報を書き出してください。営業担当が電話でいつも答えている内容は、そのまま載せる候補になります。

・価格の目安(「〇万円から」と幅で書くだけでも伝わり方が変わります)

・事例(どんな依頼に、どう対応したか)

・対応エリア、営業時間、定休日

・よくある質問と答え

2. 古い情報を消して、更新日を書く

SEOコンサルタントの江沢真紀氏は、AIの回答に古い情報や誤った情報が多いと指摘し、最新で正確な情報を載せることを挙げています。デジタルハリウッド大学教授の橋本大也氏は、古い情報を放置するとAIがそれを何度も広めてしまう危険を挙げています。

終わったキャンペーンや変わる前の営業時間、今はいない社員の紹介など、サイトに残った古い情報は、AIの答えにそのまま出てくることがあります。

月に1回、担当者を決めて次の3点を見直してください。

・営業時間、定休日、電話番号が今と合っているか

・終わったお知らせやキャンペーンが残っていないか

・料金や事例のページに更新日が書いてあるか

3. 測り方を変える

3つ目は、成果の見方を変えることです。ページビューだけを追うのをやめ、問い合わせの電話や来店のときに「どこで知ったか」を聞く項目を足します。「AIで調べて」という答えが出始めたら、それが変化のサインです。

GA4を使っている会社は、「AI Assistant」の分類を月に1回確認してください。数は少なくても、増えているか減っているかの流れは追えます。


サイトを作り直す前に確かめたいこと

新しいサイトを作る前に、今のサイトで上の3つができているかを確かめてください。デザインを変えても、載っている情報が古いままなら、AIの答えは変わりません。

逆に、見た目が古いサイトでも、正確で詳しい情報が載っていれば、AIが参照する材料になります。広報の経験が長い矢嶋聡氏は、事実はAIが要約できても、会社の意志や姿勢までは代わりに語れないと述べています。会社がなぜこの仕事をしているのかを書いたページは、作り直しを待たずに用意できます。


よくある質問

Q. ホームページを持っていない会社も作るべきですか?

A. AIに会社の正しい情報を伝える置き場として、持つ意味はあります。最初は、会社概要、サービスの内容、価格の目安、対応エリア、問い合わせ先が載った1ページからでも始められます。

Q. AI検索の対策は業者に頼まないとできませんか?

A. この記事の3つは、社内でできる作業です。情報の書き出しと更新は、現場を知っている社員のほうが向いています。ページの作りや表示の仕組みを直す作業は、制作会社に相談してください。

Q. SEOはもう必要ないのですか?

A. 必要です。江沢氏は、向こう3年はSEOによるサイト環境の整備を優先すべきだと答えています。AIもWeb上の情報を読みに来るので、読み取りやすいサイトであることは、これまで以上に問われます。

Q. AIからの訪問が0件でした。対策は失敗ですか?

A. そうとは限りません。AIの回答で会社名を知っても、サイトに寄らずに電話をかける人もいます。問い合わせのときに「どこで知ったか」を聞いて、サイトの数字の外側も見てください。


まとめ

・公式サイトは要らなくなるのではなく、人を集める入口から、AIと人が確かめに来る出典へ役目が変わります

・最初の作業は、自社にしかない情報を書き出す、古い情報を消して更新日を書く、測り方を変える、の3つです

・ページビューが減っても、すぐに作り直しを決めないでください

まずは今週、自社のサイトを開いて、営業時間と電話番号が今と合っているかを確かめるところから始めてみてください。

▼3分で理解できる!マンガ風スライドはこちら


AI活用について、社内でどう進めるべきか迷っていませんか?
AI-Brainでは、中小企業向けに30分の無料相談を実施しています。
まずはお気軽にご相談ください。

30分無料相談はこちら

AI活用を一緒に考える(無料30分)

この記事をシェアする

ホームTOPICS

AI時代の公式サイトは集客より出典|地域...